144
::


羽を動かしキッドの元へと向かう

手配書、新聞と限られた情報だけだが
想像の通り天真爛漫な青年だった
キラキラしていて眩しいくらいだ

「キッド!」

「あ?」

瞬時に鳥の姿に戻り
キッドの胸へと飛び込む

興奮で心臓がうるさい

「麦わらのルフィと仲間達に出会った!
食べられそうになって・・・
でも、ナミって人がね、」

「食べられる、だと?」

胸ぐらを掴まれ持ち上げられる
首が締まり苦しい

「あ、違うのっ!
鳥のあたしをみて..」

キッドの目線の高さまで持ち上げられ
空いている方の手でローブを捲られ
くっきりと残っている歯形を見られる

「いたっ、い」

歯型がついてる部分を思い切り掴まれ
予想のしていなかった痛みで
思わず声が出てしまう

「人間の姿も晒したのか?」

そこでやっとキッドの
逆鱗に触れてしまった、とわかった
ギリギリと首がしまっていく

「ごめん、なさい」

「躾がなってねェな。
他の男のに尻尾振ってんじゃねェよ。」

「ちがっう、そんことしてないっ」

掴まれたのも噛まれたのも不可抗力だ

「この胸、切り落としてやろうか?
お前を1人にするとすぐにこれだ。」

胸を離した手が顔を叩く
強くぶたれ頬がピリピリと痛む

「キッド、」

「アリア、お前は俺のモンだ。
分かってんのか?」

コクコクと頷くが
キッドの目からは怒りが消えてくれない

「キッド!何してるんだ!?」

どこからかキラーが慌てた声で
キッドの手を押さえる

「躾をしてるだけだ。
キラー今すぐ首輪と鎖買ってこい。」

「・・・買ってくるから
アリアを下ろしてやれ。」

無言のまま急に手を離され
地面へと落ちる

「キッド、ごめんなさい」

ケホケホと咳き込みながら小さく声を出す

「キラー、早くしろ。」

「分かった」

キラーがいなくなると
地面に座ったままのあたしの
ローブを持ち近くのベンチへと
引きずっていく

「お前は地面にでも座ってろ」

キッドが座る右側に座らされ
逃げないようにか髪の毛を掴まれている
そうしてようやく周りを見ることができて
人が沢山いたことに気がつく

こちらを見て眉を顰める者、
好奇心を隠さない者など様々だ

「見てんじゃねェよ!!!散れ!」

キッドの一喝で集まっていた人達は散っていく

人の目が怖くなり俯いてキラーの帰りを待った

prev / next
[ back to top ]
top
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -