逃がさない
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触れていた手を止め
ベッドから降りようとすると
身体を後ろへと引っ張られた

「キスのひとつでもしてくれるのかと思ったよい。」

「な、起きてたの?」

「あんな触れられ方されて
寝てられるかよい。」

「普通に触っただけでしょ!」

マルコの手が胸へと触れ先端を摘む

「もう、部屋に戻る、から!」

「そんなに急ぐことねェよい。」

「ゆっくりしてたら皆起きて
部屋から出るの見られるっ!」

「おれは構わねェって前も言ったろい。」

そのままベッドの中へと
強引に引っ張り戻された

◇◇◇

「バカマルコ!」

結局朝から2回挑まれ
何度もイかされた身体は気だるい

すっかり日が昇ってしまい溜息が出る
今日は午後から当番だった

シャワーを借りてすぐに出て
マルコがシャワーへといった隙に部屋を出た

「お、アリアじゃねェか。
マルコの部屋から出てくるなんて
珍しいなァ?」

その声にギクリとして振り向くと
イゾウが煙管をふかしながら立っていた
その顔はニヤニヤしていた

「マルコの隣の部屋はおれでよかったな。
もう少し声抑えろよ?」

言葉の意味を理解する前に
身体が動いていた
拳を振り下ろすが軽くかわされる

「喋ったら殺す。」

「昔からお前はおれには遠慮がねェ。」

苦笑いするイゾウに舌打ちをした

「うるさい。」

何かとちょっかいをかけてくるイゾウとは
喧嘩をよくしているが周りからは
仲がいいと笑われている

「まさか、マルコとは。
お前はエースだと思ってたのに。
女って怖いな。」

好きでマルコと寝ているわけじゃない!と
言いかけたがぐっと抑えて唇を噛む

「マルコは女っ気がねェと心配してたが安心した。
まぁ、せいぜい仲良くしろよ。」

頭に手を置かれ撫でられる
子どものように扱わらていることに
苛立って手を振り払う

「言わないでよ。」

「はいはい。」

この男はムカつくが口が堅い
念を押しとけば誰かに言うこともないだろう

持ち場に遅れそうな事を思い出し走り出した


◇◇◇◇◇

「おい、イゾウあんまり
アリアをからかうなよい」

アリアが行ってしまった後に
マルコが部屋から顔を出す

「からかいがいがあっていいよな、
アイツは。」

「やらねェよい。」

「はいはい、わかってるさ。
手に入れれてよかったじゃねェか。」

「いや、まだ完全じゃねェよい。」

「フン、時間の問題だろ?
悪い男だ、マルコ。
昔のようなヘマするんじゃねェぞ。」

「あんなヘマ二度としねェよい。」

アリアの前ではしないような
凶悪な笑みが浮かんでいた

「なら、よかった。
盛んなのはいいが自重しろよ。
じゃあな。」

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