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身体を揺さぶられ自分が
眠ってしまったのだと気がついた
重たい身体をキッドに
引っ張られベッドの外へと連れ出される

「でかけるぞ。」

「うん。」

乱れた服はきちんと直されていた
久しぶりに抱かれたからか
下腹部に違和感があったが歩くことはできる

部屋を出るとキラーが立っていた

「キラー!!」

「アリア、無事で良かった。」

嬉しさのあまり駆け寄ろうとすると身体が宙に浮く
すぐにキッドに抱き上げられたのだと気がついた

「他の男に媚び売るんじゃねェよ。」

「そんな、つもりじゃ・・・」

「行くぞ」

本当にそんなつもりはなかったが
嬉しさが勝手しまい軽率なことを
とってしまった自分を叱咤したい気持ちでいっぱいだった
せっかく会えて嬉しかったのに
怒らしてしまったのかと思うと嬉しい気持ちが萎んでいく

「キッド、」

立ち止まったキッドが急にこちらをみたと思ったら
ダン背中に痛みが走る

キッド抱きかかえられたまま壁に押し付けられる

痛みで息もできずにいると
唇が重なり舌を絡ませられる
抱き抱えてる方とは逆の手で
後頭部を押さえられ逃げることはできない

やっと終わる頃には息は乱れ
キッドに寄りかかると耳元で囁かれ
背中の痛みさえも快楽になるのか、顔が火照る

「お前には俺以外の男は必要ねェ。」

キラーはやれやれというように首を振り歩き出す

「・・・はい」

ふん、と鼻で笑い歩き出すキッドの首に
手を回し肩に触れるか触れない程度に軽くもたれる
何も言われないということは
くっついてもいいということだろう
安心して頭を肩へと乗せる

嫌われたわけじゃないことに安堵している自分がいた
この感覚はおかしいものかもしれないが
もう、そんなことを考えることもなくなった
今はただキッドいる喜びを噛み締めていたい

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