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膝にアリアが頭を乗せて
寝息を立てている

衝動のまま抱いたことで疲れたらしい

自ら帰ってくるとは思わなかった
必ず見つけ出して連れ戻す気ではいたが
この展開は予想していなかったが嬉しい誤算だった

逃げようとすれば首輪をつけ
鎖で繋いでおくつもりだった
足を切断してもいいと思っていた

アリアがいなくなったと知った時の焦燥感は
もう味わいたくない

(それならいっそここで殺してしまうか・・・?)

アリアの命など簡単に奪えるだろう
首にそっと触れると
アリアの目がゆっくりと開き
とろんとした目をして眠気の残った声で呟く

「・・・いいよ」

それだけ言うとまた目を閉じ寝息をたてる

「チッ」

寝ぼけていただけか、それでもすっかり殺意はなくなった

◇◇◇

連絡を受け部屋を訪れたキラーは
ベッドで眠るアリアに目を向け安堵しているようだ

「アリアが戻って良かったな」

「あァ。手間が省けた。
こいつを船に乗せることに文句ねェよなァ?」

「ない。戻ってきたのはアリア意思だ。
ほかの連中も文句はないだろう。」

「あ?文句なんざ言う奴は殺してやるよ。」

「違いない。」

酒を煽りガンっと机に叩きつける

「オークションを見物してさっさっと新世界へ行くぞ。」

「あァ。オークションの前にアリアを
買い物にでも連れていったらどうだ?
指輪以外はトラファルガーからもらったものだろう。」

「当たり前だ。他の連中は
オークション会場で待たせとけ。
アリアを起こすから先に外に出とけ。」

「・・・わかった。」



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