ドレスローザの闇
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あの青年は予感していた通り
会うことはなくなった

これ以上ドフィに疑われるのも
兵士を犠牲にするのも辛いので
もう訓練には参加しなくなった

「アリア、貴女は本当にそれでいいの?」

久しぶりに会えたヴァイオレットさんに問いかけられる
今はヴァイオレットさんの部屋で二人きりだ

「はい。ドフィと番になったのも運命。
受け入れるしかないんです。
でも、内緒にしてくださいね。
親父さまの元へ帰ることを諦めたわけじゃないです。
いつかまた会いたいです。」

「アリア・・・、貴女から見てこの国はどう見えるの?」

「玩具も人も協力しあってとても平和だと思います。」

「そう・・・。でもそれは仮の姿よ。
あの玩具達は元は人間なの。」

「え・・・?」

「今から話すことは私の過去の話。
聞いてくれるかしら?」

小さく頷くとヴァイオレットさんは
ポツリポツリと話し出す

そこで語られたドレスローザの悲劇と
ドフィのしたこと、そしてヴァイオレットさんの過去

話を聞き終えると手が震えていた

この国の玩具達は元は人間だった
シュガーさんによって玩具に変えられた人々は
大体は城の地下で働かせられている

幸せそうな人々は偽りの中で生きている

震える手をヴァイオレットさんの手が包み込んでくれた
この手は優しい温もり

「アリア、貴女は早くこの国から出て行きなさい。」

「ヴァイオレットさん・・・」

「貴女はこの国とは何も関係がない。
ただドフラミンゴに連れてこられただけだもの。
気にしないでお逃げなさい。」

「あたし・・・、「アリア」」

言葉を紡ごうとした時に名前を呼ばれ
ハッと振り返ると扉に持たれながら
ドフィが立っていてる

「探したぞ。アリア来い。
ヴァイオレット、アリアが邪魔したな。」

「アリア、また来てちょうだい。」

「・・・はい。」

ドフィと部屋を出る時にヴァイオレットさんを見ると
真剣な目でこちらを見ていた

憎い相手の側にいることは
どれどけ辛いことなのだろう

ヴァイオレットさんの境遇をきいて胸が痛くなる

ドフィの背中を見上げる

この人は何を考えてこのドレスローザを手に入れたのか
どうやって今まで生きてきたのか
恐ろしいと思う気持ちと
もっとドフィの事を知らなければいけないと思う気持ちで
頭はぐちゃぐちゃと混乱していた

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