何でもないこと
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他愛もない話をしながら
持ち寄ったお菓子を食べ、お酒を飲む

たらふくお菓子を食べたエースは
眠くなったのか瞼を擦る

「おれ、そろそろ寝る。
アリアも行こうぜ。」

「え?」

「まだ食うのか?」

「そういうわけじゃないけど、」

チラリとマルコを見れば何事も無いかのように
お酒を飲んでいた

特にこちらを向くわけでもない
行っていいのかもしれない

「なら行こうぜ。
マルコ余ってる菓子はまた食べに来るから
とっといてくれよ!」

一足先に部屋を出てしまった
エースを追いかけようとすると立ち上がると
後ろへと体が引っ張られた
危うく倒れそうになったが
しっかりとした体に抱き止められる
振りほどこうともがいてみるがびくともしない

「お前はわかってないよい。
あそこは行かないって言えよい。」

耳元で猫撫で声で囁かれる

「離して」

「どうせエースの部屋で寝るだけだろい?
エース寝たら戻って来いよい。
わかってんだろ?」

「・・・わかった」

やっと離された腕の中からすぐに部屋から出ると
エースが待っていた

「遅せェ。なにしてんだよ?」

「少しだけ後片付け。
エースってばそのまま出ちゃうんだもん。」

そっか、と言いすぐ側にあるエースの部屋に入る
欠伸をしたエースはすぐにベッドへと潜り込む

「ほら、寝ようぜ」

「うん」

あたしの分のスペースを開けて
ベッドへと招き入れてくれる
決して広くはないベッドに2人で寝てきた

それなのに心臓が大きく脈打っている

だがその期待もすぐに萎んだ

隣からは寝息が聞こえるだけ

そっとエースの肩に頭を寄せてみる

エースとマルコのような事があるはずがないと
わかっているのに
もしかしたら、と期待してしまっていた
そんな自分が恥ずかしかった

その時エースがこちらに寝返りを打ち
抱き寄せられた

これは今までも何度かあったが
エースは覚えてないだろうし
きっと抱き枕の感覚なのだろう

それでもこのままでいたいと
目を瞑ってみる

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