あのこの全ては
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今はエースに合わす顔がない
そう思っていたのに
すぐにエースと遭遇してしまった

「あ!アリア!お前どこにいたんだよ。
ずっと探してたんだぞ!」

「あー、うん。昨日飲みすぎちゃって・・・。
さっきまで倉庫で寝てたの。」

「酒弱ェくせに飲んだのかよ。馬鹿だな!」

そう言って笑うエースに
頭をくしゃくしゃと撫でられる
それがやっぱり心地よくて目を細めてしまう

「ん、次からは気をつける。」

「おう。
それよりさ!サッチが新しい料理作ったんだってよ!
それをアリアと食おうとおもって探してたんだ!
食堂行こうぜ!」

「行く!」

手を引かれ走り出す
あたしは手を繋ぐだけで
ドキドキしてしまうのに
エースはそれを難なくやってのける
あたしを女として見てないのはわかって
切なさがこみ上げてくる
こんな気持ちになってしまったのは
いつからだろうか
隣にいれるだけでよかったのに
どんどん欲が出てきてしまう

◇◇◇◇◇

「サッチ!飯くれ!
アリア連れてきた!」

「おー。やっと見つけたのか。
アリアお前何してんだ?」

サッチの問いに答える前に
エースが答えてくれた

「倉庫で寝てたんだってよ。
アリアに強い酒飲ますなよな。」

「おいおい!
おれが無理矢理飲ましたんじゃねェぞ。
アリアが飲みてェて言うからだぞ。」

「はいはい。
それより席についてるから
持ってきてくれよ。」

席につくと握られた手がやっと離される
あたし達が手を繋いでいても
皆も見慣れたもので何も思わない
これが当たり前の光景なのだ

「アリア、なんか首のとこ赤くねェか?」

「え?虫にでも刺されたのかな?」

首の辺りを触ってみるが腫れておらず
どこが赤くなっているのかもわからなかった
料理を持ってきたサッチがあたしをみて目を見開いた

「アリア、お前それ・・・」

「なに?サッチ?」

「虫刺されじゃねェぞ。」

ピカピカに磨かれたおぼんを鏡の代わりに見せられると
首の所々に赤黒い跡があった
虫に刺されたような赤さではない
何かに打ち付けた時のような内出血だった

「なんだろ、これ?」

「寝てる時に打ったんじゃねェの?
サッチ、これうめェ!!」

既に食事を始めたエースはご飯に夢中だった

「お前、男と寝たのか?」

その言葉にドキリとする
それでも平然を装う
なんでそんなことがサッチにわかるのだろうか

「男と寝たらなんで首にそんなのつくんだ?」

「エースお前は黙って飯でも食ってろ!」

「サッチが何言ってんのかわかんない。」

「まさか、記憶にないとか?
それならおれが食っちまえばよかった・・・
痛ェっっ!!!」

不穏なことをいうサッチの頭が叩かれる

「馬鹿なこと言ってんじゃねェよい。
色ボケサッチ。」

現れたマルコがわざとらしく笑う

「アリアを女にした男は誰だろうねい。」

キッとマルコを睨みつけるがそれすらも愉しそうだった

「お前ら何言ってんだ?
アリアは女だろ。
おれと寝た時はそんなの出来なかったのにな。」

首を傾げるエースの発言に
サッチは笑うがマルコの視線が痛い

「お前ら一緒に寝てんのかよ?!」

「おう、たまにな。
おれの部屋で話し込んで
そのまま寝ちまうことあるからな。」

「お前らガキかよ!
そんな状況で食わねェとか・・・痛てェ!」

さらにマルコの鉄拳がサッチの頭に落ちる
今までなら何でもないこの発言が
今はとても恐ろしく感じた


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