帰りたいという気持ち
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フードをかぶった男はか幾らか走った所で止まると
こちらをくるりと振り向きフードをとった

「エース!!」

「アリア!久しぶりだな!!」

ぎゅっと抱きしめてくれる温もりが懐かしい
初めてこの世界で安らぎを与えてくれた温もりだ
しばらく抱きしめらたままいたが
ここが海軍本部がある街だと思い出す

「エース、こんな所にきても大丈夫なの?」

「どーってことねェよ!
まさかこんな所にオレがいるなんて
誰も思わねェだろ?」

ニシシッと笑う変わらないエースに
つられて笑ってしまう

「まぁ、そうね。
こんな所に白ひげ海賊団の二番隊隊長がいるなんて
誰も思わないよね。」

「アリアにどうしても会いたくて
ここまで来たんだ。
マルコの奴一人で会いに行っても
お前の事は何も話さねェからな。」

その言葉に苦笑してしまう
あたしがこんな事になっているなんて
エースに、皆に言えないのかもしれない

◇◇◇◇◇◇

二人で人目のつかない所に座り
今までの事を話し合う

エースの白ひげ海賊団の話は
あたしを笑顔にしてくれた

すっかり日も暮れて空が
オレンジ色になっていく

それでもまだ伝えてない事がある

「エース・・・。
あたしね。言わなきゃいけない事があるの。」

エース手をぎゅっと握る
エースに自分の口で気持ちを伝えたかった

「・・・なんだよ。」

「あたしね。マルコさんが好きなの。」

しっかりとエースの顔を見る
久しぶりに見るその顔は
出会った頃と何も変わらない
愛おしいと思う
でもこれは恋愛感情ではない

「あれだけエースに支えてもらって
酷い女だと怒っていいよ。
マルコさんとは一緒になれないけど
きっとこの気持ちは変わらない。」

「・・・なんでマルコと一緒にになれないんだ?」

そっと手を離して髪の毛をかき分け項を見せる
噛まれた跡を見てエースが目を見開く

「あたし、ドフラミンゴと番になったの。
自分が馬鹿だった。利用してるつもりで
結局は抜けれなくなっちゃった。」

ふふふ、と力なく笑うと情けなくて
涙が出そうになったが唇をかみしめて堪える
唇をそっとエースの指がなぞる

「アリア、自分を追い詰めるな。
お前がマルコを好きだと言っても
オレは諦める気はねェ。
αとかΩとかオレにはわかんねェけど
お前を好きなのはΩだから、とかじゃねェ。
一人の女としてお前が好きだ。」

「エース・・・」

腕を引かれもう1度さっきよりも
強い力で抱きしめらる

「なァ、このままオレと帰ろうぜ!」

「エース・・・」

「発情期が来てもどうにかしてやる。
行くぞ!」

Ωが番と離れて発情期を過ごすのは
番がいない時よりも辛いと聞く
それでもその言葉は嬉しかった

エースに引っ張られるまま足が動く

このままかえりたい、白ひげ海賊団の所に
悪魔の実を食べた自分は少しでも役立てるかもしれない

「あたし、皆の所に帰りたい。」

小さく呟いた言葉にエースは満面の笑みで頷いくれた

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