136
::
「ロー・・・」
大人の男の人のはずなのに
今のローは傷ついた子どもに見えた
その背中に手を添える
「ロー、あたしはこういう時どうしてあげたらいいか
わからないけど・・・
一人で抱え込まないで。」
なにも答えないローに
ここにいるべきではないと思い
ベッドから降りようとすると
手首を掴まれ気がつけば
ローに抱きしめられていた
「寝るぞ」
「え、?」
「一人で抱え込むなって言ったろ?
それなら少しぐらい俺を癒せ。」
そのままシーツの中引きずり込まれ
抱きしめられたまま
ローが胸に顔を埋めるようにして寝転ぶ
緊張で身体が強ばるあたしとは反対に
寝息が聞こえてきて徐々に力が抜けていった
ローの頭をそっと撫でる
普段は防止を被っているが今は何もつけていない
髪の毛を触ると硬そうな黒い髪は柔らかかった
大きな子どものようなローを見ていると
こちらまで眠くなっていった
◇◇◇◇◇
ノックの音で目が覚める
「ん、・・・?」
触れるくらいの距離にローの寝顔があった
「あのまま寝ちゃった・・・?」
ノックがなり続けているので
慌てて扉の方へ駆け寄った
「は、はいっ!」
扉を開けるとペンギンが
あたしの姿を見て顔を赤くしている
「アリア!戻ってこねェと思ったら・・・!
なんでキャプテンの部屋にいるんだよ!?
あれか!キャプテンと・・・!」
「え!違うよ!何もしてないっ!」
「一晩一緒にいてそれはねェだろ!」
「一晩?え、もう朝??」
夕方頃からずっと寝てしまっていたことに驚く
「そうだ!シャボンディ諸島についだぞ!」
その言葉でどうでもよくなった
「!、シャワーしてくる!!」
「あ!おい!」
ペンギンの横を通り抜け自分の部屋へと駆け出していくと
後ろから「ぎゃー!」とペンギンの悲鳴が聞こえてきた
◇◇◇◇
「アリアのやつ、キャプテンと・・・!」
ニヤニヤしているとのそのその眠たそうな
キャプテンがやってくる
「おい。ついたのか?」
「あ!キャプテン!おはようございます!つきましたよ!
アリアとはどうでした?」
下世話な話とはわかっていても
聞かずにはいられない
ウキウキした俺とは違って
キャプテンは眉間に皺を寄せる
「あ?」
「とぼけちゃって〜!一晩一緒にいといて
何もないはないでしょっ!」
「チッ、朝か。」
「どうでしてた?!」
朝になったことも気がついていないキャプテンに
期待が募るがさらに眉間の皺が濃くなった
「・・・うるせェ。何にもねェよ。
ROOM!」
「ちょ、キャプテン!」
「シャンブルズ」
え、と思った瞬間には遅かった
どうやらキャプテンを怒らせたらしい
「ぎゃーーー!!」
prev /
next