酒は飲んでも飲まれるな
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ズキズキとする頭の痛みと
下半身の違和感で目が覚めた

「ん、・・・あー、頭痛い」

痛い頭を押さえながら身体を起こす
すっかり日も昇りきって陽の光が眩しかった
ベッドから降りようとした所で
裸だと言うこと気がつき慌ててシーツの中へと戻る

「あたし、昨日・・・しちゃったんだ。」

お酒で酔っていたものの記憶がある分恥ずかしい

シーツに丸まっていると部屋の扉開く音がした
緊張で身体が強ばったシたあとの事を何も考えていない
どんな顔をしてどんな話をすればいいのが

「アリア、起きたのかよい」

(え、?マルコ・・・?)

エースの部屋にマルコが入ってくる
昨晩のことをエースはマルコに伝えたのか
確かにマルコは誰からも頼りされる一番隊隊長だ
もちろんあたしも頼りにしている兄貴分だ

「おーい、出てこいよい。」

ゆさゆさと揺らされ怖々と
シーツから顔覗かせるとやはりマルコがいた

「なんで、この部屋にいるの」

「はァ?何言ってんだよい。
ここはおれの部屋だろい。」

その言葉に全身から血の気が引くのを感じる
まさかと思い部屋を見渡せば慣れたエースの部屋ではない
なんですぐに気が付かなかったのか

「まって、昨日の夜・・・」

痛い頭が更に痛くなり嫌な汗が背中を流れる
昨日の夜の情事の相手はマルコなかもしれない

「もしかして、昨日の夜・・・」

「あー。初めてだっただろい?
身体は大丈夫かよい。」

裸なんか気にしている暇もなく
マルコの服を掴みあげ睨みつける

「マルコ!昨日の事は絶対誰にも言わないで!
だって、あたしは・・・」

「エースとしてるつもりだったって?」

「っ、知ってるならなんでっ」

「おれも酒飲んでたし
据え膳食わぬは男の恥って言うだろい?」

「最っ低!!」

酔ったまま行動した昨日の自分をぶん殴ってやりたい
それでもマルコにどうしようもなく腹が立ち
マルコの顔をめがけて手を振りおろすが
呆気なく掴まれねじ伏せられる

「誰にも言って欲しくねェって言うなら
それなりの態度を示せよい」

「馬鹿マルコっ!!」

「うるせェよい。自分の立場わかってないようだねぃ。」

後ろで手を掴まれたまま耳の付け根を
噛まれるように強く吸われた

「っ、いたいっ!」

「おれはここままバラしても痛くも痒くもねェよい。
エースにバレたくねェならしばらくはおれの
言う事聞いてもらうからねぃ。」

その言葉は優しい兄ではなく悪魔の囁きに聞こえた

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