避けられない
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出来るだけ声を抑えたが
近くにいた見張りは背中を向けていたとはいえ
なにをしているかはわかるはずだ

約束を守らずに人の前で抱かれたことが
恥ずかしくて虚しくて涙が出てきた

その涙を大きな舌がペロリと舐める

「泣くんじゃねェよ。
たまには変わったこともしねェと
お前も飽きるだろ?」

「そんな、ことない。」

乱れた服を直す体力もなく
ドフィが直していく

「フフフフフ、そのわりにいつもより濡れてたぞ」

カッと顔が熱くなり咄嗟にドフィの顔を叩こうと
手が動いたが呆気なく受け止められその手にキスをされる

「おれの可愛いアリア。
そうカッカッするな。」

「もう、こんなことしないで。」

「あァ、わかった。」

ニヤニヤとするこの顔は絶対にわかっていない

「いつかはおれの子を孕ましてやる。
それまでは二人で楽じゃねェか。」

そっとお腹を撫でる手にゾクリとした
本当にそうなればもう逃げることできない

「まだ、子どもはいらないってば」

そう口にするので精一杯だった

発情期以外は妊娠しないと言われているが
中に出されるのはやはり怖い

「あァ。今は、な」


◇◇◇

そこから3日ほどして
海軍本部へと到着した

久しぶりにきた海軍本部
なんだかすごく懐かしく感じた

船から降りると海兵たちが整列して並んでいる
敵対しているはずの海賊のために
海兵が並ぶなんて変な感じだ

「アリアちゃーん」

どこからか名前を呼ぶ声がしてあたりを見渡すと
自転車に乗った人が手を振りながらこちらに
向かってきていた

クザンさんだった

その姿を確認するとドフィがあたしを抱えあげる

「何のようだクザン」

「久しぶりにあったから挨拶しにきただけだ。
それにドフラミンゴ、お前にじゃない。
アリアちゃんにだ。」

白ひげ海賊団からここに連れてきたのは
クザンさんであまり好きではないが
悪い人ではないことは分かる

「お久しぶりです。クザンさん」

「アリアちゃん、何か変わった?
あれ?いい匂いだけど前と何か違う」

心臓がぎゅっと握られたように痛んだ
αには匂いの違いがわかるのか
それならマルコさんにもやっぱりわかったんだろう

「あァ、アリアはおれと番になった。
それの報告をしにきてやっただけだ」

「え!?」

心底驚いたように固まるクザンさんの横を
ドフィに抱えられたまま通り抜けた


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