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妊娠の可能性が低いことが告げられて
安静にしていろというローの言葉に従い
ほとんど寝て過ごしていたが今は厨房にいて
調理の手伝いをさせて貰えるようになった

一人で部屋にいても悪い方向に考えてしまうから
何かしている方が気持ち的にもよかった

最初は渋っていたローにもなんとか許可を貰えた


「アリアちゃん、手際がいいね。
料理のセンスあるよ。」

「ありがとうございます!」

この船の戦闘員兼コックは2名で切り盛りしているらしい
キッドの船のコックは何名かも
知らない自分が情けなくなった

結局は自分はキッドに囲われているだけの女で
船にとっては何の役にもたっていなかった

この船では厨房で少しでも
役に立てているようで
褒められるのも嬉しかった


「アリア〜今日のご飯何?
おれもう腹減った〜!」

「アリアちゃーん!おれもはらへったー!」

夜の夕食の時間には皆が厨房に顔を出してくれる

「うるせェぞ!
いちいち厨房に来るんじゃねェよ。」

「キャプテンこそ!いつも何してるんすか!
こんなとこで!!」

「ここはおれの船だ。どこにいようがおれの勝手だ。」

厨房の端にいつの間にか椅子を置き
気がつけばローが居座るようになっていた
本を読んだり料理の味見をしたりしている

「おれは梅干とパンは食わねェ。」
というローはなんだか可愛かった

みんなと仲良くなっていくのは嬉しかったが
夜一人になって考えるのはキッドの事だ

寂しいけれどキッドにスープを作ってあげたら
喜んでくれるだろうか?


そんなことを考えるのは楽しかった

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