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静まりかえる部屋の沈黙を
壊したのはローだった

刀をベッドの横に置き
顎を掬われ目を見られる

「お前、ドフラミンゴに
人造悪魔の実を食べさせられてから
身体に不調はないのか?」

「不調?特には・・・」

「月経はまともに来てるのか?」

何でそんな事を答えなきゃいけないのか、と
睨みつけるがローの顔は医者そのものだった
恥ずかしがるのも馬鹿らしくなる

「もともとそんなにこない。」

「・・・結論から言うとお前の身体は
子供ができにくい。」

「え、?」

「それが元からなのか
人造悪魔の実の副作用かはわからないが。
W7で会った時は出来なかった検査を
お前が寝てる間にした。」

子どもができにくい、
言葉ははいってくるのに
それを理解するのに時間がかかる

「ショックか?」

呆然とするあたしを
愉しそうに見ているローはタチが悪い

「まだ、分からない。」

「ユースタス屋はどう思うだろうな。」

「キッド・・・?」

自分がキッドの子どもを産むだなんて
考えたこともなかった
妊娠するかも、とも考えなかった自分は浅はかだ
あんなに抱かれていたのに
もし、妊娠していたらどうなっていたのだろう
考えると少し怖い
きっと海に捨てられるか、島に置いていかれるはずだ

「キッドは、めんどくさいのがなくなって
よかったって思うんじゃないかな・・・」

自分で言っていて悲しくなってきて
涙をださないように唇を噛むと
唇をローの指がなぞる

「あまり噛むな。」

なぞる指が優しくて驚いてローを見た
顎を掴んでいた手が離れる

「俺が前に言った言葉の意味はわかったのか?」

「前に、言ってた言葉・・・?」

ローとあった時の事を思い出す

『お前のそれはストックホルム症候群だ』

忘れていた
気になったのは一瞬でキッドとの生活には
必要のない言葉だと思ったのだ

「ストックホルム症候群・・・?」

「あァ。その様子じゃ調べてねェようだな。
幸い、この部屋には医学書も置いてある
調べてみろ。」

そう言われて改めて部屋を見ると
本棚があって難しそうな本が並んでいた
気がつけばローがベッドに座り
近い距離にいて髪の毛を一束とり髪の毛にキスをする

「前にも言ったが、俺がお前を飼ってやってもいい。
その時にはその身体にある落書きは消して
俺のものを刻むがな。」



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