いつか笑いあえるように
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マルコさんにこれ以上甘えることは許されない
抱きしめてくれるマルコさんの背中を撫でた

このまま抱きしめられていたのに
急に焦る気持ちが出てくる
直感でドフィが帰ってくるのがわかる
これも番になったからだろうか?

「取り乱してごめんなさい、あたしは平気です。
あたしが油断してたのがいけないんです。」

顔を上げてマルコさんの唇にキスをする
マルコさんは驚いたように目を見開き
腕の力が弱まった隙に立ち上がる

「ドフィが、帰ってきます。
早く出てください。」

手を引き窓辺へと連れていくと
眉に皺を寄せたマルコさんの顔が
胸を締め付ける

「アリア、おれは・・・」

「マルコさん、早くっ!
もうここには来ないでください!」

もう既に近くまでドフィの気配を感じる
ぐいっと引っ張られるキスをされた

「おれはお前を諦める気なんかねェよい。
絶対にアリアを取り戻す。
・・・また来るよい。」

そして窓から飛び降りて出ていった

チクチクと胸が痛い
また来るなんて言って欲しくなかった
期待してしまうから・・・

すぐに扉が開く気配がする

「アリア、帰ったぞ」

「ドフィ、おかえりなさい」

笑顔を心がけ駆け寄っていと
ドフィに抱き上げられる
そして項を撫でられる

噛み跡を確かめるかのように
触れるのが最近のドフィの癖だ

「アリア、今日はでかけようと思ったが止めだ。
すぐにでもお前を抱きたい。いいよなァ?」

拒否など認めない物言いに
心臓がドクリと大きく波打つ
大丈夫、大丈夫と心の中で唱える
マルコさんが部屋に来たことなど
バレるはずがない

「・・・うん。」

ドフィの首に腕を回してぎゅっと抱きしめた


◇◇◇◇◇

船に戻ると不機嫌そうなエースが駆け寄ってくる


「おい!マルコ!
またアリアの所に行ったのかよ!
ずりィ!!」

「・・・うるせェよい」

ここに帰ってくるまでに
苛立ちが治まらずに目に付いた海賊船を沈めた

アリアを守れなかった事に
好きな女を自分の元に連れて帰れなかったことに
怒りが治まらなかった

「おい。マルコどうしたんだよ?
アリアに何かあったのかよ?」

いつもは鈍感なくせに
アリアの事には鼻が利くらしい

「・・・何にもねェよぃ。
元気にしてたよぃ。」

エースに背を向ける

「おい!」

苛立ったエースの声が聞こえてきたが
相手をする気にもなれずに
無視をして歩き続けた

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