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どこに向かっているかわからないが
懸命に羽を動かす

3日経った休める島も見当たらずに
気力だけで飛んでいた

意識が朦朧としてきた時に
急に目の前が地面へと変わる

そして空にいたはずが
誰かの腕の中いた

「アリア、こんな所で何してる」

目の前にいたのはウォータセブンで会った
ローだった

「ロー・・・?」

そう声に出せたかすらわからなかった
視界はすぐに暗くなっていった

◇◇◇

ふわふわと意識が浮上していく

「あ、れ・・・?」

目を開けると白クマのベポがいた

「キャプテン!アリア起きたよ!」

椅子に座るローに駆け寄っていくベポ

腕に違和感を感じ、目を向けると点滴がつけられていた

「ベポ、アリア用に粥でももってきてやれ。」

「アイアイ!」

ドタバタと部屋を出ていくベポを見送り
ローが近づいてくる

「具合はどうだ?」

「ちょっと疲れが残ってるから感じ・・・
助けてくれてありがとう。」

起き上がるべきなのだろうが
起き上がる気力がないくらいにくたくただった

「能力の使い過ぎだ。
しばらく休めばよくなる。
口は動くはずだ。何故あんな所にいたのか聞かせろ。」

「・・・海軍に捕まっちゃって逃げ出して飛んでたの。」

「ユースタス屋に追い出されて野良になってたや
オレが飼ってやってもよかったのに。
それにしても女をとられるなんざユースタス屋も
馬鹿なやつだな。」

「・・・あたしが抵抗できなかったのが悪いの。
キッドはちゃんと隠れる部屋を用意してくれてたのに。」

「・・・で?ユースタス屋の所に戻るのか?」

「あたしは戻りたい」

フンと鼻で笑われる

「お前もたいがい馬鹿な女だな。
随分と刺青も増えたじゃねェか。」

ローは手の甲を見ながら眉間に皺を寄せていたが
そっと頭を撫でられた

「まァ、いい。
とりあえず今は休め。
しばらくこの船に乗せてやる。
クルーが変な気を起こさねェように
ベポをつけてやる。」

ローが離れると同時にベポがお皿を手に戻ってきた

「アリアー!お待たせ!!!」

「あとは頼んだぞ」

「アイアイ!任せて!」

ベポと入れ替わりにローは出ていった

「アリアにまた会えるなんて嬉しいな〜!」

なんて言いながら起こしてくれ背もたれ用に
クッションを置いてくれる

「アリア、熱いからね!」

お粥をフーフーと冷ましてくれてから
スプーンで口に入れてくれる

何も食べていない身体にお粥の優しい味が美味しかった


◇◇◇

「キャプテン!アリアは目を覚ましたんたんですか?」

操縦室のドアを開けると
すぐにシャチとペンギンが振り返りすぐに
アリアの話をする

「あァ。特に問題はねェからしばらく
この船に乗せる事にした」

「ユースタス屋の事は教えてあげたんですか?」

新聞を差し出される
今朝の朝刊でユースタス屋と
海軍の小競り合いの話が記事になっていた

この状況からするとアリアを
助け出そうとしたのかもしれない

フン、と鼻で笑い
新聞をゴミ箱へと投げ入れる

「教えるわけねェだろ。」

シャチとペンギンは何か言いたそうな顔をしていた



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