128
::
キッド海賊団の所にいたという事で
あまり出歩けないが与えられた部屋で静かにすごす
海賊と戦闘中も隠れているだけだ
あまりキッドの船にいた時と変わらないが
身体を求められない分体力が温存されていた
キッドはあたしの思考力を
奪うために抱いていたのかもしれない
そんな事をしなくても逃げないのに
キッドの所と違うのは情報がいろいろと
入ってくるということ
新聞も与えてもらえるので
世間で起こっていることがわかった
やっぱり興味を引くのは麦わらのルフィだった
ルフィの記事を読んでいるとガープさんが側へと来た
「アリア、そいつはわしの孫じゃ!」
「えっ!?」
「ウォーターセブンで船を沈めてやろうと思ったんじゃが
まんまと逃げられてしまうたわ!」
と大笑いしていた
そこからルフィの小さい頃の話をいっぱい聞かせてもらえた
ガープさんのスパルタぶりには驚いたが
本人は孫に好かれたいらしい
◇◇◇
海軍の船に乗せられて5日目
どうやら海軍本部に向かっているようだった
これでもしドフラミンゴの所に連れていかれたら
キッドのところへは戻れないだろう
そう思うとどうにかこの船を
抜け出さなければならないという気持ちが強くなった
「ガープさん。外の空気が吸いたいです。」
あたしが置かれている部屋で煎餅を
ボリボリ食べているガープさんにお願いしてみると
驚くほどあっさりとOKをもらえ甲板につれていってもらえた
手錠も何もつけずに甲板に出られたことは偶然なのか
それとも油断なのかわからなきが幸運には変わりない
ガープさんから少し離れた場所の手すりに立つと
周りの海兵たちは焦り出す
「ガープさん!お話、楽しかったです!
すみません!またどこかで会えても見逃してください!」
できる限り大きな声を出して手すりから飛び降りた
(大丈夫・・・!)
そう思った時には鳥に変身できていた
後ろは振り返らずに出来る限り
早く前に進むために羽根を動かした
◇◇◇
「ガープさん!!逃げました!!!
能力者だったとは・・・撃ち落としますか?!」
バリバリと煎餅を噛み砕く
「ぶわっはっはっは!
逃げたものは仕方ない。
弾の無駄じゃからやめておけ。
さっさっと本部へ帰るぞい!」
prev /
next