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目を覚ませば縛り上げられていたが
目の前には大きな体のおじいさんが座っていた

「ガープ中将!その女から離れて下さい!」

「大丈夫じゃ!こんなか弱そうな娘が
悪い子なわけないじゃろうが!」

「いや、でも・・・
あのキッドの女で賞金もついてますし・・・」

「あんなの念の為じゃろう!
最近はむやみに賞金を付けすぎじゃわ。」

何か言い合いをしているらしい

「あ!目を覚ましてますよ!」

「おお!起きたか!
煎餅でも食うか?」

目の前に差し出されるが
食べるわけもなく首を振った

「美味いのに残念じゃ!」

と笑いながらバリバリと煎餅を豪快に食べている
他の海兵の態度からしてきっと階級が高いのだろう

「ガープ中将!
この娘を見るために戦艦を一つ沈めるのは
さすがに怒られると思いますが・・・」

「あんなボロい戦艦なんかいらんじゃろ。
それよりこの子の縄を解いてやれ。
わしはガープじゃ。お嬢ちゃん名前は?」

「アリア・・・です。」

急に話しかけられて驚いて
答えてしまった事に後悔した

命令された海兵が渋々縄を解いてくれる
どれぐらい気を失って縛られていたのか腕が痺れていた
腕をさすっていると

すまんのう!とニコニコしながら
頭をわしゃわしゃと撫でられる

大きく暖かい手
あたしを傷つける気がないのが感じ取れた

「ところで、お嬢ちゃんは海賊か?
あの若造のとこで戦っているなんて
情報は入ってきてないが・・・」

なんて答えたらいいのか分からずに
黙っていると若い海兵が痺れを切らし

「答えろ!」と髪の毛を掴み床へと押しつけられる
痛くはなかったが気分がいいものではない

「やめんか!」

ビリっとした空気が流れた
さっきまでニコニコしていたガープさんが
若い海兵を睨みつける

「しかし・・・!
キッドの名前が身体に彫られているのに
海賊じゃないわけありませんよ!」

「アリアからは敵意を感じん!
お前がやっている事はただの暴力じゃ。
これは愛あるの拳じゃ!!頭を冷やせ!」

立ち上がりあたしを押さえつけている海兵に
拳を振り下ろした
ゴチン!と何か物で殴ったような音が頭の上でして
海兵が横に白目を剥いて倒れていく

「すまんのう。
若い奴は血の気が多いから許してやってくれ。」

優しく抱き上げ座り直さしてくれた
年配とは思えない力強さに驚く
さっきから逃げ出したいと思っているのに
それが実行に移せないのは
ガープさんに隙がないからだ

「こんなに刺青を彫って痛くはなかったのか?」

「痛かったけど、平気です・・・」

「強いのう!
ところでドフラミンゴとはどういう関係なんじゃ?
お前さんを探しているようじゃが。」

「・・・私をもらってくれる人、でした。」

「ほう・・・」

「ドフラミンゴの所に向かっていると
船が海賊に襲われました。
そこで死のうとしていたら
キッドの船に拾われました。
そこからずっと一緒に・・・乗せてもらっています。」

能力者と言う事以外は話してしまおう
危険がない事がわかれば
逃げれるかもしれない

最初の頃に海軍に連れ去られていたら
泣いてでも助けを求めていたかもしれないが
今は、違う
痛い思いをしてもキッドの傍にいたい



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