止まらない熱
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キスをして抱きしめあって
何時間経ったのだろうか
窓の外は暗くなってきている

「アリア、お前がその気があるなら
ここから連れ帰ってやるよい。
オレと来るかい?」

「マルコさん、その気持ちは嬉しいです。
けど、まだ帰れないんです。」

床ので座るマルコさんの膝の上で対面で座る
マルコさんの首に手を回して自らキスをする
自分がこんなに大胆な女だと思わなかった
限られた時間でマルコさんをいっぱい味わいたい

「アリア、好きな女を別の男の元に
置いていくのは酷だよい。」

「マルコさん、」

もう1度キスをしようとした時に
心臓が大きく脈打った

「あ、っ」

(発情期が、こんな時に・・・)

すぐにマルコさんから離れる

「アリア、お前」

「早く、出ていって下さい」

何が起きたかマルコさんも分かっているはずだ

ホシイ・・・
マルコサンガホシイ・・・

そう願う本能を懸命に抑える
今ここでマルコさんと繋がってしまいたい
番になってしまいたいと思う

情事の最中にドフィが帰ってきたら
大変な事になるのは目に見えている

「アリア、絶対に何があっても
お前を迎えにくるよい・・・」

マルコさんもあたしの気持ちを分かってか
鳥の姿になり窓から飛び出して言った

(まってっ、連れて行って)

そう言えたらどれだけ楽か
今は口が裂けてもそれが言えない

「マルコ、さん・・・」

もっと一緒にいたかった
愛してるって伝えたい
本能のままに愛し、愛されたい

涙で視界が滲む

その涙がマルコさんとの別れのせいなのか
発情期の苦しみのせいなのかわからなくなってくる

「はっ、ぁ」

身体が自分の意志とは反対に熱を孕んでいく
そしてαが欲しいと涎を垂らすのだ

ノックの音が聞こえた

「アリア様、お食事です。」

昼は断っていたが
夜は断りを入れるのを忘れていた

「あ、はぁ、置いといて、くださいっ。
早く、置いて出ていってくだ、さい」

「アリア様!どうかされたのですか?!」

異変を感じて鍵を開け入ってきたドフィの部下が
入ってくる気配がした

この部屋にはΩのフェロモンの匂いが溢れているだろう
きっと悪魔の実の能力者じゃないだいだろうが
βでもΩの発情期のフェロモン当れば惑わされる

「早く、出ていってくださいっ、」

シーツに包まり出来るだけ顔を出さないようにするが
ベッドへと近づいてくる


「アリア、様・・・」

シーツを剥ぎ取られ
目の焦点があってない男が
這い上がってくる

「駄目です、
出ていってくだ、さいっ」

「アリア様、俺がお慰めして差し上げます、」

はぁはぁと荒い息はもう我を忘れてしまった獣野ようだった

「だ、めっ触らないでっ」

気持ちは嫌だと思うのに
発情期で敏感になった身体は
男の手が肌に触れただけで
びくりと反応してしまう

「アリア様、」

痛いぐらいの力で乳房を掴まれ
男が肌に口付けようとした瞬間に
動きが止まる

「おい・・・何してやがる」

ヒッ、という男の声と共に
泡を吹いて床に倒れ込んだ

一瞬意識が飛びそうになったが
どうにか保っているが
手は震えている

「アリア、発情期か」

男を部屋の外へと蹴り飛ばす

意識を失っている男は
いとも簡単に吹っ飛ばされて
隣の部屋へと消えた

「ド、フィ」

部屋の扉をバンっと閉めこちらを向くドフィは
口角を上げていた

いつもと何かが違う

熱で浮かれている筈なのに
背中は冷たい汗が伝った


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