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島を出発して数日
刺青はすっかり肌へと馴染んだ

相変わらずキッドの部屋が
あたしの居場所で部屋から
出ることは許されなかったが
変わったのはキッドと一緒なら
出歩けるようになったこと
そのおかけでクルー達とも
少し仲良くなった気がする
クルーと話すは怒らなくなった

朝からなんだか機嫌が良さそうに
キッドは新聞を見ながら笑っていた

「どうしたの?」

「麦わらが世界政府を敵に回しやがった。
おもしれェ。
W7にいた船大工の何人かは政府に
追われる身になったらしい。」

話がわからないままチラリと
新聞を見ればルッチさんと
カクさんが見えた気がした

「そう・・・」

それでもこれ以上は聞けない
きっとキッドの機嫌を損ねてしまう
麦わらのルフィさんのことにも
興味がないようにしなければいけない

「新聞を読みたいか?」

心を読まれたように投げかけられる言葉にドキリとした
キッドの視線は探るように向けられる
平然を装ってキッドの腕に身体を寄せた

「いらない。興味無いもの。」

「クク、そうか」

用意された紅茶を飲み終えると
右手を掴まれ人魚の絵を指がなぞる

「人魚が航海の守り神ってのは事実かもしれねェな。
ここ最近、宝は持っていても弱ェ船ばっかだ。
面白みには欠けるが宝が手に入るのは
悪ィ話じゃねェ。」

キッドが言う通り最近は
宝が積まれた船にばかり当たり
資金が潤ってるらしい
クルーの皆もあたしのおかげだと
笑いながら言っていた

「この人魚のおかげかは分かんないけど…。
この船のクルーがいなくなることなく
宝が手に手に入るのはいい事だと思う。」

人魚から手が離れてその手が唇に触れる

最初にこの船に乗った頃に比べたら
触れ方が優しくなった
乱暴な中にも優しさが垣間見える

キッドの顔が近づいてきて
触れるだけのキス
何気ないキスも増えた

それがとても心地よかった

もう1回してほしくて
キッドの服を引っ張ると
鼻で笑ってキスをしてくれた

ふわふわとした気持ちでいると
ドタドタと荒々しい足音が聞こえてきた

「頭ァ!!
海軍の船が3隻近づいてきてます!」

「チッ、すぐ行く!」

「キッド・・・」

「隠れてろ」

キッドの苛立ちを感じ取り小さく頷く

抱きかかえられ
いつもの隠し部屋の中に
入れられ鍵をしめられた

(どうか誰も怪我をしませんように)

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