交差していく
::


甲板に放りっぱなしの雑誌を
舌打ちをしながら拾い上げる

ゴシップが書かれているその雑誌は
きっとナースのものだろう

下世話な記事も多い雑誌で普段なら
絶対に開かないのに何気なくパラパラめくると
ある記事に目が止まる

[七武海ドンキホーテ・ドフラミンゴの恋人か]

という見出しと共にドフラミンゴの横に
寄り添うように立っているアリアの写真

内心舌打ちをしながらビリビリと雑誌を破り海へと捨てる

「気分がいいもんじゃないねぃ」

海へと落ちていく紙くずを見ながら溜息が出る

ドタドタと走ってくる足音に溜息が出る
その主は案の定エースで手には雑誌を持っている

「これ、アリアが載ってる。
この話でモビーは持ち切りだぞ!」

「お前もわかってんだろい。
発情期があるアリアは強い奴の所にいた方がいい。
下手に海軍なんかにいたらもっと大変な事になるよい。」

「でもよ!!お前は平気なのか!」

平気なわけがない、他の男に触れさせるのも嫌だ

「・・・しょうがないよい。」

「アリアが裏切ったと言い出す奴もいる。
事実じゃねェなら反論してやりたい。」

「エース、言いたいやつには言わしとけ。
俺たちや親父がわかってればいい。」

オレの言葉にエースは眉間に皺を寄せた

「エース、ここがアリアの居場所だよい。
オレ達が信じてやらねェでどうすんだよい。」

「・・・おう」

納得がいっていない様子のエースの
頭をくしゃくしゃと撫でた


写真に写っていたアリアは相変わらず綺麗だった
その横にいるのは自分がいい

(どうにかしてアリアに会いに行くかねい)


◇◇◇


アラバスタから戻ってから
悪魔の実の能力を使いこなすための修行を行っていた

攻撃を受けてもすぐに治る
受けた攻撃を相手に与えることが出来る

強い攻撃を受ければ受けるほど
相手に与えられる攻撃も強いものだった

攻撃を与える相手は人間だけでなく
壁や物にも有効だった

攻撃を受けても痛みは一瞬だった
痛いと感じた瞬間には治る
人間じゃなくなったように思うが
この世界では珍しい事じゃない

今日はドフィは出かけると行って
ベビーファイブとシュガーさんを
連れて城から出ていったので
きっと仕事なのだろう

悪魔の実を食べ能力をつけたのに
心配性なドフィは護衛をつける

「アリア様、そろそろお部屋にお戻り下さい」

「わかりました。」

中庭で修行を終えた後にお茶をしていたが
夕暮れになり少し肌寒くなってきていた

「ドフィはいつ戻ってくるの?」

「若様は本日のお戻りは難しいかもしれません。
なにせ、国外に出られたので・・・」

「そう・・・。ありがとう。」

そろそろ発情期のはずだ
実を食べてから初めての発情期
もしかしたらαになっているかもしれないという
淡い期待を捨てられずにいた





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