結局はそれも運命で
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Mr.0の足元に座り本を読む
不機嫌そうな声が頭の上から聞こえてくる

「お前から匂うのは香水か何かか?」

「んー。そんな感じです。
Mr.0もいい匂いしますよ。」

「サー・クロコダイル」

「え?」

「Mr.0はコードネームだ。
クロコダイルと呼べ。」

「ドフィもクロコダイルって呼んでますもんね。
どっちか迷ってたんですけど・・・
クロコダイルさんって呼びます。」

あァと短い返事が返ってきた

その後も普段何をしているのかと聞けば
「お前の男と同じような事だ」と笑う

お茶は出さないと言っていたのに
紅茶とクッキーをくれて
ソファで食べながら
他愛ないお喋りをしているうちに
ふわふわとしてきて瞼を閉じた

◇◇◇

まだふわふわとする意識の中で
男の人達の声が聞こえる

「おい・・・クロコダイル。
アリアに手出したんじゃねだろうなァ・・・?」

「あァ?小娘に手を出すほど飢えちゃいねェよ。
余裕がねェなァ?ドフラミンゴ。」

ドフィの声だと認識すると一気に意識は浮上して
弾かれたように飛び起きる

目の前にはドフィが青筋を立ててこちらを睨んでいた

そして自分が枕にしていたのは
クロコダイルさんの膝とわかり
手足から血の気が引いていく気がした

「・・・アリア起きたのか」

「ドフィ、ごめんなさい・・・」

「起こされて可哀想になァ。
よく眠れたか?アリア」

そう言いながらクロコダイルさんは
あたしの髪の毛を一房掴みキスをする

やめてほしいと心の中で悲鳴をあげる
楽しそうに笑うクロコダイルさんは
完全にドフィをからかっている

「触るじゃねェ・・・!」

意識が遠のいてしまいそうなビリビリとした空気が
部屋に広がった
体が浮いたかと思えばドフィの腕の中にいた

くくくとクロコダイルさんは笑う

「おいおい、そんなにこの小娘に入れ込んでるのか。
女に入れ込むなんてお前らしくねェじゃねェか。」

「黙ってろ。
指定された金は渡した。おれ達は帰る。」

「あァ。さっさっと帰れ。」

不機嫌さを隠さないドフィに気を悪くした様子もなく
しっしっと追い払うように手を振りながら
ニヤニヤとしているクロコダイルさんに
声はかけずに頭だけ下げた


部屋の外にはオールサンデーさんがいた

「あら、もう帰るの?」

何も答えずに進んでいくドフィの代わりに答える
オールサンデーさんはドフィの後ろを歩いてついてきていた

「帰ります。オールサンデーさん。
お世話になりました。」

「ふふ、アリアちゃん。私のことはロビンでいいわ。
本当の名前よ。また会いましょう。
ドフラミンゴが嫌になったらいつでも来てちょうだい。」

そう言って立ち止まり手を振ってくれた

ロビンさんと呼ぼうとするとドフィの手に力がこもる
声は出さずに手だけを振った

船につくと真っ直ぐに部屋へと連れていかれ
ベッドへと降ろされ真っ直ぐ見据えられる
目をそらしてはいけないと脳が警告する

「お前は天性の人たらしだ。
必要以上におれ以外の人間と触れ合うな。」

「・・・はい」

反論したい気持ちはあるがやめておく
これ以上ドフィを怒らせれば
この後どうなるかは目に見えている

「本当に何もされていないだろうな?」

確かめるように身体に触れてくるドフィの手に
少し怯えている自分がいる

「うん。
能力者の男性は全てαだと思っていたけど
違うのかもしれない。
クロコダイルさんはいい匂いがするって。
女の人達みたいな事を言ってたもの。」

ドフィが考えてる事は何も無いと伝えると
少し考えるように首を捻る

「・・・ほう。
そいつは面白い話だな・・・。」

ニヤリと笑うその笑い方は
何かを考えついたように見えた

大きな手が頭を撫でた

「本当にお前が何もされてないならそれでいい」

先程の不機嫌さは一気に消え
いつも通りのドフィに戻りほっと安堵した
そしてもう少しクロコダイルさんともロビンさんと
過ごしたかったという寂しい気持ちが浮かんだ

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