見なくてはいけないもの
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新しく案内された部屋でドフィと2人
広い部屋なのにあたしの居場所はドフィの膝の上

「悪魔の実、探してくれてありがとう」

「フフフフフ
探すのは手間だったが
アリア、お前のためだ。
そんな労力は問題ねェ。」

顎を掬い上げられ唇が重なって
角度を変えて何度も口付けを交わした
罪悪感を消してしまいたくて
ドフィの熱に身を任せた

◇◇◇◇◇

ドフィはこの国を見てくるといって出ていってしまった
部屋にいるのも退屈で閉まっているかと思っていた
扉に手をかけてみるとゆっくりと開く

ドフィがいないのに外を出歩くのは
褒められたものではないが
この城を見てみたいという好奇心が勝った

豪華な飾りが施されている廊下を歩く
絵を見たりしながら歩いていると
耳元でサラサラと音がした

その音がした方を振り返ろうとした時には
大きな影が体を覆った
急に引っ張り挙げられ息が詰まる

「こんな所で何やってやがる」

フックを胸元に引っ掛けられ持ち上げられていた

「ごめんなさい。暇だったから・・・」

「・・・お前の男はどこだ」

「国をみにいくって出ていった。
オールサンデーさんと一緒に。」

「チッ、勝手なことを。
お前も余計な事するじゃねェぞ。」

「・・・はい」

放り投げられるようにおとされ尻餅をつく

「ついてこい。
ドフラミンゴがいない間おれの部屋にいろ。」

「あの、男の人の部屋には行けないです。」

「あ?おれがお前みてェな小娘に手を出すわけねェだろ。」

「でも、」

「うるせェ。来い!」

押し切られた感じで
ついて行くと仕事をする場所だろうか
最初とは違う部屋に通された
机とソファに大きな窓がある部屋

「茶は出さねェぞ。ソファにでも座ってろ。」

無言で頷き本当は窓の外を見たいが
大人しくソファに座る

パラパラと書類を捲る音だけがする部屋で
やっぱり外に出なければよかったと思う

ふと疑問に思ったことを口にする

「Mr.0は能力者ですか?」

書類を捲る音が止まる

「あァ。だから何だ?」

ソファから降りてMr.0の机へといく

「あたしの匂いが気にならないですか?」

Ωの匂い
αを惑わせる香り
発情期じゃなくても
多少は惑わせる匂いを放ってるらしい

これが危険だと教えてあげたいのに
それがMr.0には効かないのか
座っている方に回り込んでみる

「甘ェ匂いがするが気にならなねェな。
おい、近づくんじゃねェよ。」

「え、?」

「あ?」

男性の能力者には嫌というほど影響を与えていたのに
Mr.0には効かない
首を傾げるがどうでもよくなる

自分の体質とは関係なく
仲良くなれるかもしれないと嬉しくなった

「Mr.0!あたしと友達になって下さい!」

大きな膝に抱きつくとふわりと
香水のいい匂いがする

「なんだ!いきなり!離れろ!」

ギャアギャアいいながらも
無理矢理引き剥がさないMr.0は
やっぱり優しいと思った


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