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廊下を歩いいると
ナース達の話声が聞こえた

「で?で?昨日どーだっの?」
「それがねーマルコ隊長と
ホテルには行ったんだけど・・・」

マルコ隊長の名前が聞こえた
声主はナーシャであることは
声色でわかるが
マルコ隊長の前と違って
甘ったるい喋り方はしていなかった


「えー!じゃあ一晩一緒にいたってこと?!」

「まーそうなんだけど・・・」

ああ、ナーシャとマルコ隊長は
一緒に一晩いたのか
全然罪悪感なんか感じることなかった
それ以上は聞きたくなくて
すぐにその場から去った

部屋に戻り
着替える

いつも通り
タンクトップに短パン
髪の毛は一つにくくり
鏡をみる

全身を見ると
鏡の中の自分は
女性らしさなんてない

ナース達や街の娘のように
お洒落もしない自分は
やはりマルコ隊長には
似合わない

ナーシャと付き合ったのだろうか

好きになっても叶わない
なんて考えている時点で
好意を抱いているのは
自分でもわかるが
それを認めてしまうのは
弱くなってしまうようで
そっと胸の奥に秘めておくしかない

ふぅーと大きく息を吐く
今まで通りでいい。
何もない隊長と隊員の関係に戻る
強さに憧れてた時のあの気持ちに戻すだけだ

何も気づいていないふりをすればいい

そっと心の中の扉を閉めた

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