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「アリア、起きれるか?」

キッドじゃない声がする

「ん、・・・?」

目を開けるとキラーがいた
久しぶりに見る姿
窓の外はだいぶ明るい
きっと昼は過ぎているだろう

「キラー久しぶり」

寝ぼけ眼を擦りながら起き上がる
ハッとしてシーツを手繰り寄せる
裸だと思ったが服を着ていた
キッドが着せてくれたらしい

「島についたぞ。
先にキッドは降りてる。
アリアを連れてくるように頼まれた。」

「そう、なんだ」

連日連夜抱かれ続けているので
正直、島に降りていくほどの体力はない
それでもせっかくキッドが
呼んでこいと言っていたんなら
行かなければいけない

ノロノロと起き上がる
胸元が開いたワンピースを着ていて
これで来いということだろう

「これも着てくれ」

「うん」

手渡されるのはいつものローブ
袖に腕を通しフードを深く被る

「・・・アリア辛くはないか?」

「え・・・?」

急な問いかけに目を開く

「海に飛び込んだお前を助けたのは俺だ。
あのまま放っておいた方がよかったか?」

キラーは心配しているのだろう
顔は見えないがなんとなくわかる

「・・・キッドは酷い時とあるけど
嫌いじゃないから、大丈夫。
ここにいるのはあたしの意志だもん。」

指につけっぱなしの指輪を無意識に撫でる

「キッドが海賊王になるのを隣で見せてもらうの。
そう、約束してもらったから。」

ふぅ、とどこか安堵したようなため息が聞こえた

「そうか。
キッドはアリアの事を特別に思っている。
どうしたらいいかわからなくて
暴力的になる時もあるが・・・
アリアが嫌でなければそばにいてやってほしい。」

「・・・うん」

小さく頷くとキラーが頭を撫でてくれる
兄がいたらこんな感じなのだろうか

「キラーや他のクルー達は
キッドが女を乗せてるのは嫌じゃないの?」

「俺はアリアがキッドといて辛くないなら歓迎している。
他の奴らはキッドの機嫌がいい方が
いいからな俺と同じ考えだろう。」

「・・・ありがとう」

「キッドが待ってる。いけるか?」

「行く!」

渡された靴を履いてキラーの後について部屋を出た
キッドが待っているという酒場へと向かった



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