鰐と鳥
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あれから数日、ヴァイオレットさんに
会えないまま今は船に揺られている

ドフィの付き添いで
アラバスタという砂漠の国に行くらしい

「アリア着くぞ」

前日の夜に散々抱かれ体力が
まだ回復していない身体が重い
ベッドでシーツに包まるあたしの体を
引っ張り起こして身体を眺めている

「いい眺めだ」

「ん、」

身体には情事中に付けられた痕が
いたるところについている

「おれの女に手を出すような馬鹿は
いねェだろうが、つけとけ」

そう言ってあたしを膝の上に下ろし
ドフィの印が入った首輪を着けられた

そのまま着替えを手伝ってもらい
なんとか身支度を終えた

「ドフィがいっぱい抱くから
身体の疲れがとれない」

「フフフ、体力がねェ方が
余計な事考えねェだろ」

そのまま唇を重ねねっとりとしたキスをする
しばらくするとノックの音と扉の外から
クルーが急いだような声がした

「若様!到着しました!!」

「あァ、すぐに行く」

今のキスで息切れをしているあたしを
抱き上げ船を降りた

◇◇◇◇◇

案内された部屋につくと
綺麗な女性と顔に傷がある大きな男性がいた
威圧感がある男性に思わずドフィの後ろに隠れた

「おいおい、アリアが怖がってんじゃねェか。
そんな顔するんじゃねェよ。」

「・・・お前が出向くなんざ珍しいじゃねェか
ドフラミンゴ・・・」

「フフフ、そんなにおれに会いたかったか?
クロコダイル。」

仲はあまり良くないのかもしれない
睨み合う2人にはとても怖い

「2人で睨みあわないであげて。
女の子が怖がってるわ。」

その場の空気を和ませてくれたのは
部屋にいた長身で黒髪の女性だ
容姿はとても整っていて思わず見入ってしまう
この世界には美人な女性が多い気がする

じっと見つめていたことに気がついた女性が
微笑んでくれたことで顔が赤くなるくらいに恥ずかしかった

「男同士の話し合いにあたし達はいらないわよね?
隣の部屋でお茶でもしてるわ。いきましょ。」

近づいてきた女性は180cm以上はあるだろう
短いスカートも下着が見えることなく着ていて
脚がとても綺麗だった

「ミス・オールサンデー。
アリアに変なことすんじゃねェぞ」

ドフィの声は聞いたことのないような低い声だった

「ふふ、心外だわ。
貴方達も仲良くしてね。
あたしはミス・オールサンデーよ。
好きに呼んで。アリアちゃん。」

優しく手を取り隣の部屋に連れて行かれる
ちらりとドフィを見れば小さく頷いていた
ついて行ってもいいという事だ

あまりファミリー以外と
関わる事がないので少し嬉しくなった


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