痛いほどわかってる
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パンっと乾いた音が響き
手が衝撃で痺れた


放った銃弾は男の額に命中して
男は動かなくなった

人の死は呆気ない
生きるのはこんなにも大変なのに
引き金を引いただけで命が終わった
命を奪うのは至極簡単だった

それでも心はついていかない
何かがこぼれ落ちていく


「フッフッフッ
お前の初めての任務は成功だなァ!
銃を使う才能もある。」

動かないあたしの手から
銃を取り上げ懐へとしまう

「見たかお前ら。
きちんと仕事を全うしない奴はこうなる。
生きて出たきゃ、戦い抜けよ。
それとも今ここでアリアに撃たれたいか?」

牢屋の方に目を向けると皆が目をそらす

「フフフフ。
この男の死体は片付け。
アリア行くぞ」

命令を下された看守は男を引きずっていった

コクリと頷いてドフィの広げられた腕の中へとかえる

「今日は宴でもするか。
なんせ、アリアが初めて人を殺せた日だ。」

あたしの中で渦巻く嫌悪を分かっているくせに
それでも今は取り乱さないことで精一杯だ

あたしが人を殺したといえば
マルコさんはどんな顔をするのだろう
それでもいいよと戻ってこいと言ってくれるのか
これからももっと人をこの手で殺していく


◇◇◇

夜は宣言通り豪華な食事がテーブルに並ぶ
今日は全員集合だった

「べへへへ〜
アリア、任務成功したらしいな!
今日は飲め!」

トレーボルを始めとする面々が
それぞれお祝いをの言葉をくれた
それをありがとうと微笑んで返す

「んねーんねー
初めての殺しでアリアは肝が座ってるんだなー
さすがドフィが見込んだ女なだけある」

「出来て当然よ。」

「そうよ!私達が特訓したんだもの。
殺すくらい何ともないわよ。
ね!アリア!」

「うん。ベビー5やシュガーさん達のおかげで
怖がらずに出来たよ。」

あたしの様子をドフィが
観察するように見ているのがわかった
ボロを出さないように見抜かれないように笑顔を保つ

豪華な食事はすぐになくなり
それぞれ話したりお酒を嗜んだりと
思い思いに過ごしていた

「ねぇ、ベビー5、ヴァイオレットさんは?」

「あぁ!今任務に出てるはずよ。
暫く戻らないんじゃないかしら?」

「そう」

なんだかこれもドフィが仕組んだような気がした

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