兵隊と鳥
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「いやはや、笑顔が素敵ですな!」

と更に妙な動きをする
それはあたしを楽しませようとしてくれていると
すぐにわかった

「ふふっ、ありがとう。
玩具の兵隊さん。貴方も戦士なの?」

「私をご存知ではないということは
ここは初めてですかな?
我が名はキュロス。しがない玩具の兵隊ですぞ!」

「あたしはアリア。
そうなの。初めて。
ドフィに連れてきてもらったけど
あまり、合わないみたい...。
あ、ごめんなさい。戦士の皆は必死なのに。」

ドフィという言葉に一瞬殺気を感じた気がしたが
その殺気はすぐに消えた

「・・・あれはほとんど戦士ではない。
ドフラミンゴに逆らった罪人たちだ。」

「そう、なんだ..、」

だから震えている人もいたのかと納得がいった
それでも、皆の前でライオンに襲わせるのは
公開処刑のようなものなのだろう

「・・・お嬢さんはドフラミンゴのお仲間なのですかな?」

「うん、ドフィはあたしを守ってくれたの。
だから、今はドフィに尽くして
強くなってから自分の元いた場所に帰るの」

「・・・そうですか」

表情が変わらないはずの玩具のはずなのに
どこか悲しげに見えた

「貴方は・、」

どうしたの、と聞く前に遠くから
怒声が聞こえてきた

「おい、貴様!!!アリア様から離れろ!!!」

驚いているうちに

「それでは、また機会があれば」

と片足しかないはずなのに
素早くどこかへ行ってしまった

駆け寄ってきたドフィの部下達に
素早く身の安全を確認された

「アリア様!!」

「大丈夫ですか?!」

と口々に聞かれたが何も無いという
キュロスはここでは厄介者らしいということが
部下達の口ぶりから伝わってきた

(悪い人には感じなかったけど・・・)

そう思いながらドフィの元へと戻される
キュロスのおかげで気分は幾分かマシになった


「遅かったじゃねェか。何してたんだ?」

さっきとは違う場所へと連れていかれると
不機嫌そうなドフィに尋ねられたが
答える前に部下がそっと耳打ちをしている

また、キュロスに会いたいとは思ったが
そっと胸の内に閉まっておくことにした

「・・・そうか。あいつか。
アリアが無事ならいい。放っておけ。」

はい!と返事をして部下達は下がっていった

「ドフィ、心配かけてごめんなさい」

ドフィの手を取り大きな手のひらに頬をすりつけると
親指で唇をなぞられその指に舌をはわせる
他に興味を持たせないようにするには
自分自身を使うのが1番有効的だ

「・・・フッフッフッ、素直じゃねェか。」

「ん。もう、帰ろう?」

そうだな、と笑うドフィに少し安心した

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