壊れたメリーゴーランド
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話し声で目が覚める
誰かが来ているのかもしれない
いつもならそのままねてしまうのだが
うめき声が聞こえいそいで扉にかけよる

そのうめき声がヴァイオレットさんのものに聞こえたからだ

いつもあたしが1人で寝るときは
扉に鍵をかけられているのを知っている

ノックをして名前を呼ぶと
少ししてから扉が開く

「アリア、どうした?」

「誰かいた・・・?」

「いねェな。なんだ?怖い夢でもみたか?」

ギュッと抱きつくと頭を優しく撫でられる
『いない』その言葉で確信する
きっとヴァイオレットさんが
何かされていたのだろう。
ここでドフィを行かしてしまえば
ヴァイオレットさんが
酷い目に合うかもしれない

「...うん。一緒に寝てほしい」

「フッフッフッ、やけに甘え坊だな。
可愛いじゃねェか」

顎を掬われ唇が重なると長い舌が口の中を這う
息が苦しくなって来たところでやっと開放される

「明日はコロシアムにつれていってやる」

「コロシアム?」

聞きなれない言葉に首を傾げると
ドフィはフフフと笑った

「この島の奴が楽しみにしてる娯楽の一つだ。
まァ、行けばわかる。」

うん、と頷き手を引かれベッドへと横になると
腕の中に閉じ込められる
ドフィの匂いを感じながら眠りについた

◇◇◇

翌朝ドフィは言ってたとおり
コロシアムに連れていってくれた

広い建物に入るとVIP席に通される
そこからコロシアム全体が見渡せた

観客席がたくさんありその真ん中には
水が張られその上に石の床がある

広い会場だがそれよりも驚いたのは
人間だけではなく
玩具達も観客席にいることだった

「ドフィ、あれ玩具?生きてるの?」

「あァ、あれは生きている。
ドレスローザは玩具と人間が共存している」

「すごい・・・っ」

玩具というものはぬいぐるみが
施設にもあった可愛らしかったのを覚えている

それが動き、人間と同じように生活しているらしい

「可愛い...」

「フッフッフッ、
そうか気に入ったのならよかった」

何故か愉しそうに笑うドフィを不思議に思いながらも
玩具達を見ることに夢中でそれ以上は何も聞かなかった

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