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「関係ねェだろ、テメェが他の女と
寝て欲しくないって言ったんだろーが。
ちゃんと機嫌とれよ?
じゃねェと他の女のとこいくぞ」

そう言うと嫌だと言った時の
アリアの反応に少し驚くのと
同時に気持ちが高ぶった

コイツが求めるのは俺だけだなのだと口元が緩む

アリアは俺のものだ


◇◇◇

キッドからの言葉は
自分の立場を明確にさせる

たまたま拾った女は
性欲処理に丁度よかっただけ
キッドに飽きられたならすぐに
捨てられるのだろう

情事中に目に入った自分とキッドの指に嵌められた指輪
主人と下僕の印なのかと思うとなんだか虚しくなった

涙が出てきそうになるのを隠すために
キッドに縋るように抱きついた

悲しくても虚しくても
キッドに開かれた身体は熱を持ちキッドを求める
肌が触れ合うのもキッドから落ちてくる汗も
何もかもが気持ちいい

出かけると言っていたからか
1回だけで解放された

いつもよりも体に赤い跡が残されている以外は
触れる手は優しかった気がした

優しい

それは勘違いなのに
あたしなんかに優しくするはずなんかない

最初の頃みたいに物のように
酷く抱いてくれたなら勘違いなんかしないのに



「おい、用意しろ」

行為が終わるとすぐにキッドは
ベッドから降りて服を投げ渡してきた

重たい体を起こして服を着る

「キッド、この島にはいつまでいるの」

「さァな、特に決めてねェ」

「そう、」

海軍がいない島は居心地がいいのかもしれない

「この島になんかあんのか?」

「え?何もないよ?」

その言葉に驚いて顔を上げると
キッドは訝しげにこちらを見ていた

「ごめん。本当になんとなく質問しただけ」

「ならいい。早く用意しろ。」

もっと問い詰められるかと思ったが
どこか機嫌がいいらしい
キッドはそれ以上何もいわなかった

頷きすぐに服を着替えてベッドの横に
置いてあるローブを羽織ると
いつものように抱え上げられ街へと向かう

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