お家に帰ろうか
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ドンっ心臓が大太鼓のような音を立てる。
それは全身に響き渡る。

「あ、っ」

(最悪、こんな時に)

荒くなる息、熱くなる身体が
発情期がきたことを知らせてるようだ
頭がぼーっとする

「なんだ、これ...?」

まだ僅かに残る意識が
クザンさんも能力者だったことを
思い出させた

「はや、く出てって
ドフィを呼んでっ」

「だめだ、止まらねェ」

ガシャンっとティーカップが
床に落ちた時には
クザンさんに掴まれて
ベッドの上にいた

外から見張りの海兵の声に
クザンさんが返事をしているが
頭が言葉を理解しない

荒い息のクザンさんが問いかけてくる

何度目かでやっと理解できた言葉

「これは悪魔の実の能力か?」

違う、と首を振ると
口付けで口を塞がれる

熱い、気持いい

快楽に飲み込まれる前に
片隅に残る理性が叫んだ

いやだ、もうこれ以上誰かに
抱かれるのは

脚でクザンさんの身体を蹴り上げるが
びくともしない

「アリアちゃん、」

熱っぽい瞳、クザンさんは
ヒートをおこしている

「ダメ、やめて」

口付けの合間に掠れた声で
止めるが聞こえてる様子はなく
服を捲りあげているその間にも
いろいろな所へキスを浴びせられる

本当に自分の意識も飛びそうだった

目の前にいるαが、ほしい

だしたくないのに声を出してしまう

抵抗をやめたように力を抜けば
クザンさんの力も弱まった

その瞬間を見逃さずに
身をよじりクザンさんの下から
抜け出してバルコニーへと続く扉から飛び出す

「よせ!!」

ヒートを起こしているαもいつもより
動作が鈍いのだろう
その事に本人も驚いているようだった

能力を使われる前に手すりから身を投げ出した

飛び降りるのは二回目だ
今度こそ死ぬのか

海が見える



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