時には噛み付いて
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帰りたいと言うあたしを連れて
ドフィはショッピングへと連れていく

ドフィのお店の近くには
少し歩くと他にも人間屋があった
鎖に繋がれた人を見て胸が痛んだ

連れていってくれた先では
ほとんど上の空で
ドフィが好きにあたしもの物を選ぶ

こうやって物を買うお金だって
人が売られて入ってきたお金なのかもしれない

そう思うとお腹の奥から
酸がせり上がってくる感じがして
口元を押さえる

「アリア、気分が悪いのか?」

「・・・ん、もう今日は帰りたい」

「わかった。
おい、ここにあるモンを後で
船まで運んでおけ」

部下にそう指示をして
あたしを抱えあげ店を出る

「明日から七武海の招集があるから
2日ほど海軍本部へいく」

「・・・わかった」

本当は今あまり行きたくない
それでもドフィが行くというなら
ついていくしか選択肢はない

あまり海軍と馴れ合わないようにするために
ドフィは今日あの店を見せたのかもしれない

帰るのはホテルではなく船だった
すぐに部屋へと戻ると
ソファに座らしてくれ水をくれる

「・・・ありがとう」

「気分が悪いならもう寝るか?」

「うん、化粧を落としてから寝る」

水を飲み終え
シャワールームへと入ると
すぐに設置してあるトイレに駆け込む
吐き気は波が寄せるようにやってきた

胃の中の物を全て出すと少しだけスッキリして

シャワールームへと入り
口をゆすぎ化粧も落とす


それでもふとした瞬間
鎖で繋がれ引きずられる人を
自分と重ねてしまう

(だめ、考えちゃだめ)

あのディスコという人からみたら
首輪をしているあたしは
ドフィの奴隷に見えるのかもしれない

あの人だけじゃない
いろんな人からそう思われてるのだろう

首にそっと触れる

首にあるのはドフィのマークが入った首輪

でもこれは身を守る上で必要なもの
もうすぐ発情期がくるであろう
期間が近づいてきているから
外すのも怖い

望まない番にだけはなりたくない

(それだけは嫌だ)

番になるならマルコさんがいい
マルコさんや親父様たちの
役に立つ人間になる
ドフィを利用してでも


タオルまきシャワールームから出ると
ドフィはソファでお酒を飲んでいた

「遅かったじゃねェか
フッフッフッ
吐いたらスッキリしたか・・・?」

「・・・うん」

笑うドフィの隣にもたれかかるように座る

「甘えてくるなんて珍しいじゃねェか
お前が甘えてくるのは
発情期の時ぐらいだと思ってたがな」

「あたしは本当は甘えん坊で
寂しがり屋だよ・・・ドフィ
発情期以外でも甘えたいの。
・・・だめ?」

「フフフ、だめじゃねェが
覚悟はいるかもなァ?」

そのまま顔を上にあげると
ドフィの顔が近づいてきてキスをする

深く深く舌が入ってくる
お酒の味がするキス

「覚悟なら、あるよ」

こうやって自分自身を使ってでも
あたしはこの世界で生きて
絶対にモビーに帰る

マルコさんに嫌がられるかもしれない
それでも、そばにいれればいい

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