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そのまま船に帰るらしい
だいたいみんなと女の人がいるお店で
騒ぐイメージなのに

「みんなは?」

「この島には5日ほどいる
今日は好きに女でも抱いてんだろ」

「・・・そうなんだ」

船の中にいる女はあたしだけ
みんなもいろいろ溜まるのだろう

部屋に戻るとソファーに降ろされ
首輪をとってもらえた

「今日は楽しかった。ありがとう」

キッドに方へと向き直りお礼を
伝えるが目をそらされた

疑問に思いながらもそのまま買ってもらった
本に手を伸ばそうとすると
目の前に箱が差し出される

「やるよ」

「え?」

キッドを見るがこちらを見てはいない

「見てただろ」

箱を受け取り開けると中には
アクセサリーショップで見ていた
指輪が入っていた

「この島のパワーストーンらしい
めんどくせェからあとは自分で調べろ」

舌打ちをして
いつまでも呆然としているあたしの手から
箱をとり指輪を取り出すと
左の薬指に指輪をつけるが
固まるあたしに苛立ったのか

「いらねェなら捨てろ」

と言い放つ
その言葉にハッと我に返り
指のはめられた指輪を見てる
遅れてきた喜びに心も体も包まれる

「ううん・・・!
凄く素敵・・・
本当にありがとうっ!」

溢れる喜びを押し隠すことができずに
思わずソファに立ち上がり
キッドにギュッーと抱きつく

「これすごい気になってたの。
キッドの髪の毛みたいに綺麗な赤で
素敵だって!大切にするね!」


キッドから離れ指輪をよく見ようと
ソファに座り直し
うっとりと指輪を見つめる
磨かれたシルバー土台に
赤い石がはめこまれた指輪は
やっぱりとても綺麗だった


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