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あの夜で許してもらえたらしく
首輪は外してもらえなかったが
服ももらえたし部屋の中を
キッドがいなくても
今まで通りに自由に歩ける生活に戻った

窓は船大工が嵌め殺しの窓に変えてしまい
もう開かない

キッドが部屋にいない時は
買い与えられた本を読む
キッドが戻ってくると
だいたい飽きるまで抱かれる
たまに一緒に寝るだけ

その毎日の繰り返し

そして明日は久しぶりの
島への到着らしい

ズキンと胸が痛む

船の中ではあたしだけが
女だけれど船から出たら
綺麗な女の人などいっぱいいる

そのモヤモヤとした気持ちを紛らわすように
横で背中をこちらに向け
寝ているキッドの服を掴む

今日は一緒に寝るだけの日らしい
それとも島に行くために
あたしとはシないのか

「・・・なんだよ」

寝ていると思っていたキッドに
声をかけられ驚いて服から手を離す

「起こしてごめんなさい、」

恥ずかしさから掛けていた
毛布を頭の上まで被ると
寝返り打つ気配がしたかと思うと
毛布を剥ぎ取られる
キッドはベッドの上で胡座をかいていた

「寝れねェのかよ」

「・・・わかんない」

「あ?テメェの事だろうが」

顔を隠すようにうつ伏せになり
顔を枕に埋めるが
海楼石が埋め込まれている首輪のせいで
いつも以上に力が入らない
すぐに引っ張り起こされる
キッドの膝の上に横向きに乗せられ
顎を掴まれる

「きゃっなにっ」

「寝れねェのかって聞いてんだよ」

顔をそらそうとするが
やはりびくともしない

「・・・うん」

「怖い夢でもみたか?」

しょうがなく答えると
フンと鼻で笑われバカにしたような声色だ
あたしのモヤモヤとした
嫌な気持ちも知らないで
バカにした態度にイライラする
いっその事このモヤモヤした気持ちを
言ってしまえばスッキリするのかもしれない
そうしたら明日の事など気にせずに寝れるはずだ

「・・・女の人」

「あ?」

「他の女の人といるのを
見たら嫌な気持ちになったの
また女の人といるんだって思うと
モヤモヤしたのっ
それだけっ、離してっ!」

無駄だと分かっていても
キッドから逃れようと
分厚い胸板を押し返す

チッという舌打ちとともに
唇が塞がれ奥深くへと
舌が侵入してくる

「んっ、んぅっ」

「明日は連れてってやる
その変わりこのまま抱かせろ」

キッド手は既に服の中に入ってきて
胸の突起を摘む

「あっァっ、んっ」

嫌だと言っても抱くくせに

暴れるのを止めて承諾の意味を込め
キッドの首に手を回した


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