籠の中の景色
::


ドフィに連れてこられた立派な建物
【人間屋】と書かれた看板

(漢字もあるんだ・・・にんげんや?)

わけもわからないまま中に入ると
手錠と首輪に鎖が繋がられた人が何人かいるが
皆、顔面蒼白で俯いている

(な、に・・・?)

「Mr.ドフラミンゴ!
来るなら連絡くれたらよかったのに!」

星のサングラスをつけ髪が長い
派手な服装の男が駆け寄ってくる

「フッフッフッ
急に来たら何かまずいことでもあったか?」

ディスコと呼ばれる男は
媚を売るようにヘラヘラと笑う

「問題ないですよ!
ここはあんたの店だ!」

「フフ、
そうか。これからも頼んだぞ」

「あァ!もちろんだ!
・・・ところでその娘は?
商品か?」

品定めをする目がサングラスから
透けて見え身体が強ばる

「商品かだと?
フッフッ、馬鹿な事を聞くな。
コイツはおれのだ。
もし、連れてこられたりしたら
すぐにおれに連絡しろ」

少し低くなった声色に少し慌てたように

「失礼な事を言っちまったな!
申し訳ない!もちろん。
すぐに連絡をいれる」

「コイツと店内を少し回る。
2人にしてくれ」

わかったとディスコは離れて行くと
ドフィは歩き出す
檻に入れられた人、
水槽に入れられた足が魚の人
皆こちらを怯えた目で見ている

(人魚・・・?)

「ドフィ、ここは?」

震える手でドフィの服を掴む

「ヒューマンショップだ」

「ヒューマン、ショップ?」

「あァ、ここで商品として
人がオークションに出され
落札される。」

「なんでそんな事を、」

「どうした?震えてるぞ?」

フッフッフッと笑うドフィ

自分が過ごしていた施設を思い出す
雰囲気は違ってもαから見たら
ここのように人身売買の場所だったのだろう


すすり泣く声に混じり
「帰りたい」「出してくれ!」
と声が聞こえる

「・・・ここにいる人たちは
出してあげれないの?」

「買い手がつけば出られる」

「そんな、」

「捕まるコイツらが悪い。
恨むなら無力な自分を恨むんだな」


無力な自分


その言葉は自分にも突き刺さる
目の前が暗くなっていく気がした



prev / next
[ back to top ]
top
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -