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『今まで女の人といたくせに』

女に何度か言われたことのある言葉
その度にその女が鬱陶しく感じ
捨て置くかしつこければ殺していたのに

アリアこの言葉を言われたら
何故か胸が高鳴った

それを隠すようにアリアの
身体に顔を近づけると
この島でしか育たない木の匂いが微かにした

この島の木は花のような甘ったるい匂いがする
それが部屋から出ていないはずの
アリアから匂うのだ

ついさきほど感じた優越感が引いていき
怒りが激しい波のように全身に広がっていく

「テメェ、どこに行った?」

その問いかけでアリア表情が強ばっていった

◇◇◇◇◇◇

「あ、の」

「どうやってここから出だ?」

地を這うような低い声に
最初の頃を思い出し体が緊張していく

答えないあたしに苛立ち
バシッと頬をぶつ
強くぶたれた頬の皮膚は
ぴりぴりと細かく震えるように痛む

キッドから目をそらすことができずに
じっと見つめる

「答えれないのか?
クルーでもココで咥えこんだか?」

太股に大きな手がくい込む

「いたっ...い、そんなことしないっ」

チッと舌打ちをしてワンピースに手をかけると
ビリっと一気に引きちぎられ
下着をつけさせてもらえていないために
裸が露わになる

「あっ、」

「言わなきゃこのままクルーの部屋に
放り込むぞ」

言っても言わなくても酷いことをされる事に
変わりはないがこの姿を
他の誰かに見られる方が嫌だ

「窓が、開いたの。
それでそこから...」

出たと伝え終わる前にキッドは
窓のそばにいき窓に触れていた
キィーと静かに窓が開く

「・・・いつからだ?」

「え...?」

戻ってきたきたキッドは
唸るように話す

「今日、初めて触った」

「どうだかな」

今キッドは何を言っても
信じてなどくれないだろう
下手なことを言えば
殺されてもおかしくないほど
殺気立っていた

「勝手な真似をした罰は与えなきゃならねェな
もう2度とこの部屋から出たくなくなるぐらい
躾直してやるよ」

「や、ぁ」

これ以上後ろになんて下がれないのに
力が入らない身体で後ろへと下がる
頭の中で警鐘が鳴り響く

「最近少し甘すぎかもしれねェな
俺に逆らう気力が残ってるなんてな」

キッドは冷ややかな意地の悪い微笑みを
口元に浮かべていた

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