暗い腕の中
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ドフィが出ていってからも
その場から動く気力もなく
両膝に顔をうずめ小さくなる

今日はずっと泣いてばかりだ
マルコさんに会えた時に
嬉しくて泣いた
あの時は温かい気持ちで
胸がいっぱいだった

自分の事しか考えずに

今も止まらない涙は
殺されてしまった人達への罪悪感


カチャっと扉の開く音がして
体ピクリと反応するが
顔を上げられない

人の気配が自分の前で止まる

「アリア、泣いてんのか」

頭に手をおかれ優しく撫でられるが
顔を上げないあたしに焦れて
大きな手が蹲るあたしの顔を掬い上げた

「死んだ奴らの事を考えて泣いてたのか?
...それとも不死鳥マルコの事か?」

首を横に振ると身体を持ち上げられ
あたしを抱えたままソファへと腰を下ろし
向かい合わせになるように膝の上に座らされた

「アリア、服を脱げ」

「っ、」

何故そんなことをいってくるのか
わからずにドフィを見つめていると

「おれをこれ以上怒らせたくないなら早くしろ」

声は硬く、怒りを含んでいた

ドフィはいなくなったあたしに怒っているのだ

初めてドフィから向けられた怒りで
身体がビリビリと緊張している

膝の上にのったまま
震える手で服を脱ぎ床に落とす

下着姿になったあたしを
探るように見られる

「どこも汚れてないようだな」

ドフィは確信はなくても
マルコさんにあった事が
わかっているのかもしれない

なにもない体をみて
少し空気が和らいだ気がして
少し安堵する

「アリア、おれはお前が可愛いんだ。
泣かしたいわけじゃねェ。
だが、今日はちょっとやりすぎた。
戻って来たとはいえ、勝手にいなくなったんだ。
そうだろ?」

諭すように話しかけながら
頭から腰まで形を確かめるように触れられる

「ごめんなさい・・・」

「そのせいで15人も死んだ。
お前がいなくならなければ
なくならなかった命だ」

その言葉に俯いてしまう
あたしのせいで亡くなった人達がいる
どれだけ悔やんでも
その事実は消えることはない

ドフィが耳元で囁く

「またこんな事があれば
15人じゃすまさねェぞ」

また目から涙が零れ落ちた

これはドフィからの罰なのだ

ドフィから与えられた罰は
自分が傷つけられるよりも
あたしには重いものだった


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