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母さんはいつもイラついてて
「お前なんて産まなければ良かった」
って口癖のように言っていた

母さんは綺麗な金髪に青い目
なのにあたしは黒い髪に赤い目
父さんに似たんだと思う。
父さんは見たことないけど

気がつけばそこにいて
檻の中で同じ年くらいの
子どもたちと一緒だった

周りの子はシクシクと泣いていて
母さんに捨てられたんだとわかった
自分の運命を受け入れたいつ死んでもいいと

見た目がいいとわかると
臭い檻から出され
いい子にしていれば
叩かれたりしなくなった


鑑賞用にと悪魔の実を食べさせられた
それは鳥になれる力で
自分の目の色と同じ赤い鳥になることができた
空を飛べるのは嬉しいけど
大好きだった海に入れなくなったのは
少し寂しかった

「鳥には人前でなったらだめだ
ご主人様の前だけだ」
とお店の人に言われこくりと頷く

月日がたち19歳になり
買い手がついた私は
船で輸送されることになり
逃げられないようにと海楼石の
手錠をはめられ船に乗りこむ

動き出す船から
窓の外を眺める

穏やかな青い海は
これから売られる私でも
受入れてくれていようで
なんだか嬉しかった

ドォン!!っと
強い衝撃で船が揺れる
私がいた場所にぽっかりと
穴があいていた

「海賊だ!!!」

慌て出す人々

その空いた場所から
海賊の旗をつけた船が見える

下をみると青い海

能力者は海に嫌われる

飛び込んだら助からないだろう
それでも好きな海で死ねるなら

(自分の意志で死ねるなら)

そのまま吸い寄せられるように
海に飛び込んだ


死ぬなら海がいい

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