ざいあくかん
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「アリア様!!」

大通りに出ると
すぐに見つけてもらえ
青ざめた顔で
大慌てで駆け寄ってきた

「どこにいたんですか?!
ドフラミンゴ様も心配なさってましたよ!」

「道に迷っていて...」

「とにかく!見つかってよかったです!
すぐにドフラミンゴ様の所へいきますよ!」

「は、はいっ」

電伝虫で何箇所かにかけている
大勢で探していてくれたのかもしれない
マルコさんに会えて舞い上がっている頃
皆は必死に探してくれていたのだろう
申し訳ない気持ちもあるが
マルコさんに会えて帰れる場所があることが
これからの希望になる

喉が渇いていたので途中で
飲み物を買ってもらった

連れて来られたのはホテルの一室
大きくて豪華な扉

それだけでこの部屋が特別だということがわかる

「ドフラミンゴ様、アリア様です!」

と大きな声で呼びかけると話扉が開く

「アリア様、どうぞ」

1人で入れという事だろう

部屋に入ると大きなソファがあり
そこにドフィは座っていた

入ってきた扉からは後ろ姿しか見えないが
金色の髪と不穏なオーラでドフィだとわかる

「ドフィ、心配かけてごめんなさい」

足が竦むが躊躇していてはいけないと
すぐに声をかけるが返答はない

そのかわりに足が勝手に動いた
初めてあった時と同じだ
きっとこれはドフィの能力

それほど距離はないはずなのに
長い距離を歩いたような気がする
ドフィの前までくるとやっと足が止まった

「何してたんだ?」

「道に迷っていて...」

「そうか...
お前が道に迷った事で
何人死んだと思う?」

「え...?」

「まず、お前につけていた5人だ。
5人もいながらアリアを見失ったんだ。
当然だろ?」

足が、手が震える

「次は、お前を探していた10人。
10人もいて1時間もあったのに
探し出すことができなかった」

あたしの震える手をドフィが触れる

「お前は1時間弱で15人殺した。
あと10分見つけるのが遅かったら
また、人数が増えていただろうな」

だから探してくれて人たちは
皆青ざめていたのか

ドクンドクンと耳元で
心臓の音が聞こえる気がする

「この島で不死鳥がいたと話が出てる」

(だめだ、ここで動揺したら)

「そうなんだ。会いたかったな」

ドフィを真っ直ぐ見据えて普通を装い答える
サングラスの下でドフィがこちらを
探るように見ているのがわかる

声は震えていないか
汗は出ていないか

自分がマルコさんに会っている間に
15人死んでしまった
自分が殺したも同然だ

「フッフッフッ
まぁ、いい。自ら戻ってきたんだ。
覚えていろ、お前のせいで人が死ぬ。」

「は、い」

「疲れただろう?
ゆっくりしろ。
おれは少し出かけてくる」

そう言ってドフィは立ち上がる

小さく頷くことしかできない
後ろ姿を見送り部屋に1人になると
膝から崩れ落ちた

「ごめ、ごめんなさい」

幸せだった気持ちが急速にしぼんでいった
嗚咽をもらす
何度も何度も誰にも聞こえない謝罪を口にした


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