暗がりの中を走る希望
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マルコさんとのキスは
脳みそが蕩けてしまうんじゃないかと
思うくらいに気持ちがいい

「んっ、」

首筋を這うようにマルコさんの舌が動く

「ドフラミンゴの所にいるってのは
本当なんだねい」

首につけてある首輪とネックレスを
指でなぞられる
直に肌を触られているわけではないのに
身体が熱くなってくる

「アリア、このままオレと戻るだろい?」

何故か探るように見つめられていた
首輪から手が離れ手を掴まれる

「え・・・?」

「親父のとこに戻るか?って聞いてるよい」

白ひげ海賊団の元へ帰れる
それは自分が1番望んでいること

「まだ、帰れません...」

今帰ってしまえば
海軍と白ひげ海賊団が衝突するかもしれない
勝手に出ていったと
ドフィも黙ってないだろう

「なんでだよい」

「帰ってもまだ何の役にも立てません。
それに・・・今帰るとみんなに迷惑を
かけてしまいます。」

あたしの手を持つ力が強くなる

「家族を守るのに
親父は何にも思わねェ。
帰ってこいよい」

「・・・だめです。
でも、必ず戻ります。
それまでもう少し時間をください」

「アリア...」

切なげに歪む顔に
胸が痛くなる
帰れるという甘い誘惑に
今は乗ってはいけない

ギュッと抱き締められる

「・・・わかったよい。
でも、オレが無理だと判断したら
ドレスローザにいたとしても
すぐに連れ帰るよい。」

「・・・はい」

帰る場所があるというだけで
強くなれる気がする

「そろそろ帰らないとまずいかねい」

本当はもっと一緒にいたい
もっと触れ合いたいそう思うけど
それは叶わない
早く戻らないとドフィ

「・・・はい」

「おいおい、戻るって言ってるのに
服をそんな掴まれたら返したくなくなるよい」

無意識にマルコさんの服を
強くにぎっていた事に気が付き
慌てて手を話す

慌てる様子にククっと笑いさ
もう1度唇が重なった



◇◇◇◇◇◇


「この宿を出て右にいけらば
すぐに大通にでるよい」

「ありがとうございます。
...マルコさん」

ギュッと服を掴む手が震えている
それに気が付かないフリをしてやる

「ん?どうした?」

「あたし、頑張ります。
強くなってみんなの所に戻ります。
それまで・・・待っていてください!」

「わかったよい」

本当はこのまま腕の中に閉じ込めて
親父の元に連れて帰りたい
そんな気持ちを必死抑え
笑顔でアリアの頭を撫でてやると
ホッとしたような顔をして
笑顔になって部屋を出ていった


この島に来る前に親父と話をしていた

『アリアが帰りたいと言えば
連れて帰ってこい
ただアイツは周りを
気にかける優しい奴だ
無理矢理連れて帰ってくるんじゃねェぞ』

『わかったよい』

(親父との約束を破るわけにはいかないよい)

久しぶりに見つけたアリアは
相変わらず綺麗だった

アリアもオレのことを好きだろう
あの反応を見れば
自惚れかもしれないが思ってしまう

アリアの感触を思い出しながら
ベッドへと身体を沈めた

「気持ち伝えるべきだったかねい...」

それにしてもドフラミンゴの
マークをつけていた事には
生きていくためとは言え
多少苛立ちを覚えた

早くアリアを取り戻したい
そんな気持ちが膨らんでいった

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