昨日よりもおもい
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マルコさんに抱き上げられ
連れてこられたのはどこの部屋
どうやってここに来たのかなんて覚えていない
ずっと泣き顔を隠す様に
くっついていたから
周りを見る余裕などなかった

マルコさんの匂いが
体温がぽっかりと空いた心を埋めてくれる

あんなにαやΩに嫌悪していたのに
結局は受け入れその性には逆らえない
目の前に番になりたいと願う人がいる
理由なんてない、本能が求めているのだ

「泣くなよい」

ベッドに座り向かい合わせになっている
頭を撫でる手が頬へとうつり
顔をそっと掬いあげられる

「泣いてる顔もいいけど
笑ってる顔がみたいよい」

「涙が、とまらないの」

顔を見られていても
目からは涙が溢れる頬をつたう
マルコさんの顔が近づいてきて
おでこ、瞼、頬へとキスを落とす
それを目を瞑り受け入れると
涙はやっと止まってくれた

「泣き止んだねい」

落ち着いてくると
マルコさんと向き合っている
体勢ははずかしい

どこうとするがマルコさんが
腕をがっちりと押さえ
どくのを許さない
諦めてそのままでいることにした

「・・・なんで、ここにいるんですか?」

「ドフラミンゴが七武海招集のあとから
女を連れていると噂があったんだよい。
ドレスローザには行けなかったけど
シャボンディ諸島に行くと聞いて
ひと足早くここにいたよい
半信半疑だったけど来たかいがあったねい」

そんな噂があることも何も知らない
ドレスローザでは外の情報など入ってこない

「・・・みんなは、元気ですか?」

「あァ、問題ないよい」

「そうですか・・・」

「・・・ただ、みんなアリアを
心配してるよい。
大切な家族だからねい。」

その言葉は誰もあたしを
忘れていないと言ってくれてるようで
胸が熱くなりまた涙が出そうになった

「泣かしたいんじゃないよい
・・・アリア、キスしていいか?」

その問いかけには少し驚いた
聞いてくるような人だなんて思っていなかった
驚いているのが伝わったのか
マルコさんは頭をかきながら

「無理矢理して折角会えたのに
アリアに拒否されるのは辛いからねい」

と笑う

今は2人だけだ
周りを気にする必要も
自分に嘘をつく必要もない

小さく頷く

「アリア、」

マルコさんの手が頬に添えられ
啄むようなキスを角度をかえ何度して
だんだんと深くなっていく口付けに身を委ねた



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