今日は何色
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「うわー!」

大きなショッピングモールには
遊園地のような娯楽施設もあった

チラホラと怖そうな顔の人達もいるが
首にかけてるネックレスを見てか
寄ってくる者はいない

一通り店を見て回ると疲れてしまい
ベンチで休もうと歩いていると
フッと体が浮き上がるような感覚が
したかと思うと気がつけば
何者かの腕の中にいた

声を出そうにも
口を塞がれてしまい出すことが出来ない
抱えるようにどこかへと
連れていかれている

「んー!!」

ローブを着ていて
フードを深く被っているため
顔も分からないが男だ
嫌な感じはしないが
怖いことには変わりがない
大人しくしている事も嫌で
暴れてみるがびくともしない

「アリア、大人しくしろ」

その声に全身の血が沸騰しているように
一気に熱くなった

どこかの路地裏にいるらしく
何かから隠れているのか
周りの様子を探っている

「アリア様を見失ったぞ!
まずい!探せ!」

何人かの声と足音で
見張りをつけられていた事を知る

「行ったねい」

やっと口を覆っていた手を離してもらえる
自分の手が震えているのに気がつく
フードとった男は紛れもなく
頭から離れてくれない人物だった

「アリア、久しぶりだねい」

「マ、ルコさん・・・!」

マルコさんと離れるって
エースと共にいると
あの日に決心したはずなのに
気がつけば抱きついていた

そんなあたしを優しく抱きしめかえしてくれる

「アリア・・・会いたかったよい」

「マルコさん、マルコさんっ」

縋るなダメだと頭の片隅に
残った理性が言うが
頭で分かっていても心がそれを拒否する
涙がポロポロと目から溢れだした

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