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キッドから解放されたのは
空が明るくなってきた頃だっま

身体は動かないくらい
そのまま目を瞑り横たわっているといると
濡れたタオルで身体を拭かれている感覚がする
重たい瞼を少し開けると赤い髪が見えた

(キッドが拭いてくれてる・・・?)

声を出すことも身体を動かすこともできず
そのまま意識が途切れた


次に目が覚めたのは
もうお昼の時間だろうか
いい匂いで目が覚めた

「アリア、起きれるか?」

「ん...」

目を擦りながら起き上がると
キラーが食事の準備をしてくれていた

キラーだと気が付き慌てて
シーツを手繰り寄せるが
いつの間にか服を着せられていて
シーツも変えられていた

「キラーが服を着せてくれたの?」

「俺じゃなおそんな事を
したらキッドに殺される」

「そっか、」

「飯は食えるか?」

「うん。ありがとう」

食事の準備を終え
すぐに出ていってしまう

まだあたしが生きているということは
無実を信じてもらえたのだろうか

あの男の人はどうなったのか
なんて聞けるはずもなかった

温かい食事が身に染みる
海賊船に乗って
こうやって食事を与えてもらえるだけで
ありがたいのかもしれない

キッドを憎く思う自分もいるのに
キッドの優しさを感じた時には
それとはまた違う感情もある気がする
それが何なのかはわからないけど

食事を終え食器を
ドアの所に置いておく
片付けに来た時に
持っていきやすくするためだ

ベッドの下に置いてある本を取り出す
与えられた本はもう全て読んでだ
今は海王類などが載っている
図鑑がお気に入りだ

ふと腕を見ると
昨晩キッドに切られた場所に
目がいった

傷口は完全に塞がっていたが
すこし傷が残っている

キッドはあたしに刺青を彫ったり
傷をつけたりするのが好きなのかもしれない

でもそれはキッドの所有物だという感じで
少し胸が熱くなる
こんな事を思うのは普通じゃないのは
わかっているのに
性欲処理ができる物としてしか
思われていなくても
もう少しだけ側にいたい

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