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アリアを風呂へと行かせ
すぐにキラーの元へ行く

「キラー」

「あァ」

わかっているかのように
縄に縛られた男をこちらへ投げる

「頭!信じてください!
おれは...っ」

全てを言い切る前に
アリアにつけられた傷を踏みつける
声も出せないところを見ると
相当深い傷をおっていているようだ

「女襲って返り討ちなんてあうなんざ
笑えるなァ?」

「か、しら」

足の下で男が呻く

「人のモンに手ェ出そうとしてんじゃねェよ」

拳銃を構えると
表情が青ざめて震える

「頭、もうしねェ!」

「テメェみたいなクルーはいらねェんだよ」

船長の部屋に侵入し女を
襲うような部下は必要ない
それにキラーが止めないということは
そんなに必要な人材ではないという事だ

迷うこと無く引き金を引いた
パンっという乾いた音が響くと
男は動かなくなる

「処分しとけ。
あと部屋の鍵はお前と俺だけ
持っていればいい」

「わかった」

食事を届けるために
たまたま置いていった鍵が
横たわる男の目に止まって
魔が差したのだろうが
そんな事を許す心なんざ持っちゃいない

「アリアは誘ってなんかいない
コイツの穴のあいた体が必死に抵抗した証だ」

「・・・うるせェ。わかってる」

アリアが誘ったなんて思っていない
ほかの男の血がついているという事実に
苛立っているだけだ

「俺は戻る」

「ほどほどにな」

キラーのこの言葉は何度も聞いているが
言われた通りにしたことなどない

チッと舌打ちをして部屋を出た

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