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体が熱い・・・

怪我を治そうとしているのか
今日妙に寝苦しい
ベットの近くに置いてある水に
手を伸ばし飲み干した

「はっぁ、」

キッドにも散々痛めつけられていたのに
眠れなくなるほどなど
寝苦しい夜は初めてだった

それでも目を瞑って寝ようとする

扉が開く音がした
キッドが戻ってきたらしい

そのまま目を瞑っていると
すぐ隣に人の気配と
ベットが沈んだ

「アリア」

その声は今まで聞いてきた
キッドの声の中で1番優しい気がした
そして顔にかかる髪をどけるように
優しい手つきで髪の毛を掬うようにどかす

「・・・アリア」

そのまま頭を撫でれ
また優しい声で名前を呼ばれた

今、目をあけてしまえば
この時間が終わってしまうかもしれないと
目を開ける勇気はでない

むしろこれは夢なのかもしれない
キッドがこんなに優しく自分の名前を
呼ぶはずなどない
手つきが優しいはずがない

そのまま抱き寄せられ
包み込まれるように
腕の中に閉じ込められる

「小せェな」

キッドから香るアルコールの匂い
きっと酔っ払ってきるのだろう
それでもなんだか少し
嬉しくて黙って腕の中にいた

いつの間にか寝苦しさからは
解放されそのまま意識が薄れていった


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