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キラーのいる操縦室の扉を
乱暴に開け置いてあるソファに座る

「アリアの様子はどうだ?」

「落ち着いてる」

「そうか...」



アリアがいない事に気が付き
一瞬逃げたのかと思ったが
逃げても行く場所がないアイツが
そんな馬鹿な事をするはずもない
迷子にでもなったのだろう

「キッド、探すか?」

「別にかまいやしねェ。
そのうち出会うだろ」

キラーにそう伝えたが
目ではアリアを探していた
なかなか出てこないアリアに苛立つ

たまたま横を通ったチンピラの
興奮してる声がが耳に入ってきた

「おい、聞いたか?
海賊の女だが上玉が入ったらしいぜ!
俺ら下っ端も好きにしていいらしい!」

「早くいこうぜ!」

思考より先に体が動く
声を出すチンピラの頭を掴んでいた

「そこに俺と連れて行ってくれるよなァ?」

青ざめる震える男
もう1人の男はキラーが捕まえていた

アリアじゃなきゃ
さっさと帰ればいい

そんな事を思いながら
扉の前に立つと
中からアリアの声
やはりここにいた

捕まえた男の処分は
キラーに任せると目で合図をし
男を投げる


「キッドの夢を笑うような人に
お願いなんてしないわ」

「生意気な女だっ」


扉を開けると
目を瞑るアリアと
殴ろうとする男

その腕に銃弾をぶち込む
怒りで目の前が赤くなる

人のモンに触れてんじゃねェよ

「・・・楽しそうなことしてるじゃねェか」

男の額に更に銃弾をぶち込んだ


昼間の事を思い出し深く息を吐いた

キラーがグラスに酒を注ぎ渡してくる
それを受け取り一気にながしこむ

「アリアは今まで出会ってきた奴らみたいに
夢を笑うようなやつじゃなかったな」

「・・・あァ」

自分の中で名前に対する気持ちが
少しずつ変化していくのに
気付かないふりをする

こんな気持ちは初めてで
自分でもなんと呼べばいいのか
わからないのだ

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