忘れたくない ただ それだけ
::


『アリア』

マルコさん?
目の前にマルコさんがいる
そんな事はありえないのに

これが夢だという証拠だ

マルコさんの顔が近付いてきて
ねっとりと身体が熱くなるようなキスを交わす

ダメなのに、エースと一緒にいようと決めたのに
思い出してしまうのはマルコさんの事ばかり

それなのにドフィとも関係を持ってしまった
こんな自分が本当に白ひげ海賊団に
戻っていいのだろうか

でも夢ならマルコさんと
キスしても許されるかもしれない


「マルコさ、ん」

口から出た言葉で
意識が浮上する

もう少し夢の中にいたかった
そう思って目を開ける


「アリア」

目の前にいたのは
マルコさんではなくドフィだった
少し怒っているようにも見える

「ドフィ?、んむっ」

急に口の中に2本の指が差し込まれる
大きな指が舌を弄ぶように動く

「マルコっていやぁ、
白ひげの1番隊隊長のマルコか?」

聞かれていた
とても恥ずかしくて
頬が熱くなるがドフィが
怒っているのは何故なのか

あたしの舌を引っ張る
涎が溢れてきて飲み込むのも上手くできずに
口の端から零れてしまう
そうして答えを
求められていることに気がつき
こくりと首を縦に振る


「あの火拳のガキだけじゃなく
不死鳥マルコとも関係を持ったのか?」


キスはしてしまったし触られたが
最後まではしていない
フルフルと首を振る

「フッフッフ
おれにキスされて
不死鳥の名前を口にしたんだ
何もない訳じゃねェだろ?」

猫なで声だが怒っているのが伝わってきてくる
夢の中のマルコさんのキスは
ドフィのものだったのか

指を引き抜かれる

「何をした?」

「キス、と少し触られただけ。
でもあれはあたしの発情期に
あてられただけなのっ」

「そうか・・・
今はそれでいい。
他に何か隠してることは?」

隠し事?
マルコさんの事も隠し事だなんて
思っていなかった

「何もない」

ふるふると首を振る

「フッフッフ
不死鳥と火拳を忘れてしまえるように
おれが目一杯可愛がってやる」

「え、ドフィ・・・?」

ドフィの手が伸びてきてあたしの目を覆った

prev / next
[ back to top ]
top
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -