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キッドから手配書を見せられ数日

いつかはこうなるとわかっていたのに
自分が賞金首になってしまった
事実はなかなか受け入れれず
手配書を見ては溜息をつく

キッドは今部屋を出ている

部屋から出ることも
窓に近づく事も許されなくて
本を読むことぐらいしかできない

何度か敵船と出会い戦闘を繰り広げているが
その間はキッドの部屋に新しく出来た
隠し部屋に隠れるように言われている
キッドとキラーしか知らないらしいその場所は
クローゼットの奥にあり
なかなか見つからないだろう

そっと胸元の文字を撫でる
これはあたしがキッドのものだという証明で
キッドがあたしを捨てない限り
あたしはキッドから離れられない
逃げることもできるはずなのに
それをしないのは少しだけキッドを
信頼してきているのかもしれない

激しく求められるが
刺青を彫られてからは
暴力をふるわれながら
抱かれることはなくなった

コンコンとノックの音が
静かな部屋に響く

「っ、はい!」

慌てて返事をすると
キラーが手に食事を持って入ってきた

「飯だ」

「ありがとう」

言葉を交わすのは
キッドとキラーだけ
他のクルー達には
全然会わせてもらえない

「皆は元気なの?」

「あァ、元気にやってる。
ウォーターセブンで
気分転換もできて士気も上がっている」

気分転換とは女達と触れ合えたことを
言っているのだろうか?

でもそれを口に出すのは気が引けて
「そう」と相槌を打つだけになった

食事を置くとキラーはすぐに行ってしまう

部屋に閉じこもってばかりで
お腹もなかなか減らず
作ってくれているコックには
悪いが最近は食が細い
今日も半分も食べれずに
食事を終えた

「全然食ってねェな」

急にした声に驚き扉の方を見ると
キッドがじっとこちらを見ていた

「・・・お腹空いてないの」

キッドは部屋に入ってきて
ドカッと隣に座り
テーブルの上の果物を手に取り
差し出してくる
それを手で受け取ろうとすると

「そのまま食え」

「そのまま・・・?んっ」

無理矢理口の中に入れられる
オレンジの甘酸っぱい味が
口の中に広がる

次々に果物を手に取り
差し出してくるので
おずおずと口で受け取り食べる
それを繰り返すとお皿の上の
果物は全てなくなっていた

「食えるじゃねェか
もっと食えよ。
それとも毎食俺に食わしてほしいのか?」

「ちがっ、きゃぁっ」

反論する前に身体を
キッドの膝の上へと乗せられる

「俺にたべさせてもらえるのは
テメェぐらいだ」

そう言って首筋に口付け
舌を這わす

「ひゃぁっ」

「俺以外からもらうんじゃねェぞ」

「も、らわ・・・ないっ」

下から上がってきた舌が
耳にぬるりと入ってきて
声が出そうになり唇を噛む

「おい、噛むな。
テメェの身体は俺のもんだ。
勝手に傷つけんじゃねェよ。」

そのまま指が口の中に入ってくる

「テメェを傷つけていいのは俺だけだ」

その言葉を理解する前に
拷問に近い快楽が身体を支配していった


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