ゆっくりと沈んでいく
::


ドフィの船に乗ってから数日
本当にドフィから離れる事もなく
ドフィが仕事している間は
あたしはソファで本を読む
たまに書類の整理を手伝う

洋服は何もかも
用意されたものを身に着ける
露出が激しくても
上品さはあるので
良いものを着せてもらえてるのだろう

ふとした瞬間に
触れるだけのキスをする

あまり慣れていないあたしは
されるたびにドキドキしたが
きっとドフィは
ペットとスキンシップをとるように
キスをしてきているのだろう

新聞は読ませて貰えるので
外からの情報は手に入る


「アリア、明日ドレスローザに着く」

膝の上で髪の毛をブラシで
梳かしてもらっていた時に
急に言われたその名前は
聞いた事がなかった

「ドレスローザ・・・?」

「フッフッフ、おれが治めている国だ」

「ドフィは海賊なのに王様なの?」

「あァ」

「・・・ドフィって一体何者なの?」

「フフ、アリアに害はねェ。
ドレスローザには
おれが信頼するファミリーもいる。
アリアを紹介するつもりだ。」

「ドフィの仲間がいるのね。
仲良くできるかな・・・
緊張する・・・」

ふぅ、と息を吐くと
ブラシを置いた手が
優しく頭を撫でた

「王宮は広い。
そこでゆっくり強くなればいい」

「・・・ありがとう」

『ゆっくり』を強調された気がした
できるならなるべく早く
白ひげ海賊団に戻りたいのに

頭を撫でる手が心地よくて
目を閉じて身を任せていると
唇が唇で塞がれる

いつもの触れるだけの
キスではない
何度も角度を変えてキスをされる
拒否は許さないというように頭を押さえられ
キスに応じていると
舌がゆっくりと入ってくる

「んっ、んんっ」

長い舌が口内を侵す

やっと離してもらえた頃には
息があがってしまい
ドフィの胸によりかかってしまう

「お前の匂いは
夢中になっちまうな」

フッフッフと笑いながら
顔が近付いてくる

もう1度、今度は触れるだけの
キスをされた


☆☆☆

ドレスローザに到着すると
まだ国民には見られないようにと
隠すように王宮へと入れられた
豪華な王宮でキョロキョロとしていると
部屋へと通される

「お前の部屋はおれと同じだ」

ここはドフィの寝室らしい

「本当に国の王様なんだね
ちょっと吃驚してる」

初めての王宮に胸が高鳴る
おとぎ話で出てくるような
王宮でときめかないはずがない

「フッフッフ、お前も住む場所だ。
また案内してやるよ。
おれは今からファミリーと会ってくる
お前は夜までゆっくりしていろ」

「うん・・・」

ドフィは部屋を出ていってしまった

大きなベットへ寝転がってみると
今まで、寝てきたどのベットよりも
フカフカで寝心地が良かった

寝るつもりなんてなかったのに
船に乗っていて疲れていたのか
ベットが気持ち良すぎるのか
ゆっくりと意識が沈んでいった

prev / next
[ back to top ]
top
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -