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翌日目が覚めると
ホテルに帰っていて
隣にはキッドが寝ていた。

その日から
外には出してもらえなくて
キッドが出かけている間は
本を読むしかなかった。
そんなことが続いた数日。

「今日ここを出るぞ」

「船の修理終わったの?」

朝ごはんの最中に突然言われ
そんなにいきなりなのかと
びっくりしたものの
特に困る事もない。

「・・・あァ」

「そうなんだ!楽しみだね!」

ご飯を食べ終わりキッドが
用意した服をきてローブを着る。
いつものようにキッドに抱きかかえられる。
定番になりつつあるこの移動方法。

「ねぇ、重くないの?」

「あ?俺がテメェを持てねェほど
軟弱に見えるのか?」

「そんなことはないけど、」

「逃げれねェようにしねェとな」

そしてそっと唇に触れるだけのキス
そんなキスは初めてで
びっくりして固まる

歩き出したキッドに落とされないようにと
首に手を回して抱きついてしまい
キッドの顔は見えなかったが
自分の心臓は大きくドクドクとなっていた

そこからガレーラカンパニーまでは
そんなに遠くはなかった

造船所に着くと皆もう揃っていた

「キッド、もう出れる」

「あァ」

カクさんやルッチさんがいないかと
そっと覗いて見ようとしたが
キッドに深くフードを被せられた

船に乗り込みようやくフードを
とってもらえる

ドサッと投げられるように
下ろされたのはベットの上

キッドが紙を渡してきた
それを見てみると

キッドに抱かれ
フードを被った女
胸元にはしっかりと
Eustass“Captain”Kid
の文字が見える

これは間違いなく自分だ

名前は知られていないらしく
名前の記載はないが
Eustass“Captain”Kidの女と記されている

その下には1000万ベリーの文字

「これ、」

「手配書だ」

「あたし・・・?」

「胸に俺の名前が彫られてんだ
俺の女って認識されたらしいな」

震えるあたしとは反対に
キッドはニヤリと笑う

「俺から離れたら
海軍に捕まって殺されちまうかもな
能力者ってだけで監視下に置かれる」

「キッド、」

「クク、もうテメェは俺から
離れることはできねェな」


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