鈍る感覚は水の中
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契約を交わした
親父さま達に会えるように

「傍に置いてくれるのなら
ドフラミンゴさんに
あたしの事を話します。」

「おれの事は好きに呼べ
敬語もいらねェ」

「そう、ね。じゃあドフィって呼ぶわ。」

「フッフッフ、それでいい。
お前の話を聞かせろ」

自分の生い立ち
自分の世界の話
そしてα、β、Ωの話もした
悪魔の実の能力者が
αかもしれないということも

「思った通り面白い女だな。
それで首輪つけてんのか」

後ろから大きなドフィの手が
首輪をなぞる

「そう。力も何も無いから
役になんか立てないよ?
ドフィも能力者なら
発情期はあたしに
近づかない方がいいよ。」

「能力者を虜にしちまうとか面白い」

「・・・あたしを売ろうとしてる?」

「フッフッフ、そんなことしねェよ。
それより発情期の時は
白ひげの所にいる時はどうしたんだ?
あそこも能力者なんざいっぱいいるだろ」

「・・・エースが一緒にいてくれた」

「フッフッフ、あの小僧が恋人だったのか」

「っ、違うわ!
エースは助けてくれてただけよ。
恋人なんていたことないもの。」


首輪を触っていた手が
髪の毛を撫でる

「フフ、おれが恋人になってやろうか?」

「もう、馬鹿にしないでっ」

撫でている手を振り払おうとするが
逆に手を掴まれてしまう

「アリア、そんな力じゃ逃げられねェぞ」

ググッと力を入れてみるが
少しも手を動かせない

「あたしは逃げない」

「見た目に反してなかなか
強気な女だな。気に入った」

「それなら、あたしを強くして。
大切なものを失わないために。
そのための努力なら何でもする」

「あァ、契約をしたんだ。
おれがお前の欲しいものをくれてやる。
そのかわりおれを裏切るなよ。
おれは部下の失敗には寛大だが
裏切りだけは容赦しねェ。
お前でも、だ。
お前を殺すことも、娼館に売ることも
おれには容易い。」

掴んでいた手を離され
首をギュッと掴まれた

「・・・うん。
裏切らない。」

ドフィはやはり少し怖い
裏切り者を許さないっていうのも
脅しではなく本気だ

「フッフッフ、いい子にしてたら
おれは最高に優しい男だ」

首を掴む力が弱まり
少し身体の力が抜けた
ドフィはあたしが思っているより
怖い人なのかもしれない。
また優しい手つきで頭を撫でられているのに
冷たい汗が背中を流れた

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